朽網

朽網（くさみ）

福岡県北九州市小倉南区に位置する朽網（くさみ）は、その読み方が難しいことで知られる地名です。この地域は、大字朽網に加え、住居表示が実施された朽網東と朽網西のそれぞれ1丁目から6丁目で構成されています。

地理

朽網は小倉駅から南東へ約15km、京都郡苅田町に隣接しています。国道10号線とJR朽網駅周辺には、住宅地と商業施設が集積しています。かつては郊外の田園地帯でしたが、国道沿いに宅地開発が進み、日豊団地やスワロータウンなどの住宅地が形成されました。一方、南部には市街化調整区域として水田が広がり、朽網川の上流には昭和池という貯水池があり、周辺には自然が残っています。また、北部は曽根新田と接しており、水田が広がっています。

この地域は、北九州市の東端に位置するため、行橋市や苅田町といった京築地域との結びつきが強いという特徴があります。

歴史

朽網の歴史は、1889年（明治22年）の町村制施行にまで遡ります。この時、企救郡の朽網村と曽根新田が合併し、朽網村が誕生しました。その後、1907年（明治40年）に曾根村、霧岳村、芝津村と合併して曾根村となり、1934年（昭和9年）には曾根村が町制を施行し曽根町となりました。1942年（昭和17年）には小倉市に編入合併され、1963年（昭和38年）には北九州市の一部となりました。そして、1974年（昭和49年）に小倉区が小倉北区と小倉南区に分割された際、朽網は小倉南区に所属することになりました。住居表示の実施に伴い、大字朽網から朽網東と朽網西が分立しました。

工業

朽網には、国道10号沿いにTOTOの小倉第二工場があります。また、沿岸部には北九州臨空産業団地があり、読売新聞や毎日新聞の印刷工場が集まる「ニューズポート北九州」を形成しています。その他、ニシラク乳業などの食品関連工場も立地しています。

2006年には東九州自動車道苅田北九州空港インターチェンジが開通し、周防灘上には北九州空港が移転・開港しました。2008年には北九州臨空産業団地にトヨタ自動車九州の小倉工場が進出し、操業を開始するなど、空港に近い立地を活かした企業誘致が進んでいます。新空港の開港に合わせて朽網駅には東口（空港口）が新設され、駅前ロータリーも整備されました。西鉄バス北九州が空港連絡バス「北九州空港エアポートバス」を運行しており、国道10号からのアクセスも容易です。

交通

鉄道
JR九州 日豊本線：朽網駅

道路
国道10号：朽網地区の中心部を東西に貫き、南は苅田町や行橋市方面、北は小倉市街地方面へと繋がっています。
福岡県道25号門司行橋線：国道10号の東側を並走し、バイパスとしての役割を果たしています。
福岡県道254号須磨園南原曽根線：国道10号と並走し、JR日豊線の西側を通り、地域を繋いでいます。

脚注

関連項目

朽網村
企救郡
* 曽根干潟

もう一度検索