杉興運

杉興運（すぎ おきかず／おきゆき）は、戦国時代の武将であり、周防国・長門国を本拠とした大内氏の家臣でした。父は杉興長（おきなが）。祖先は応永の乱で活躍した杉豊後入道重運です。名にある「興」の字は、父と同様に大内義興から偏諱を賜ったものです。

生涯

興運は周防国の大名・大内義隆（義興の子）に仕え、筑前の守護代を務めました。居城は若杉山城でした。記録によれば、1513年時点では父である興長が挙状を発給しています。

享禄3年（1530年）には、義隆の命を受けて大内軍を率いて少弐資元を攻めます（田手畷の戦い）。しかし、資元の家臣であった龍造寺家兼の機略の前に敗北を喫しました。その後も大友氏などと交戦し、北九州における大内軍を任されていたと伝えられています。

天文19年（1550年）7月17日、従五位下に叙位され（この時点で豊後守）、22日には太宰権少弐に任じられました（『大内義隆記』およびその異本による）。

天文20年（1551年）、陶隆房（のちの晴賢）が謀反を起こした際、興運は大内義隆に従いました。義隆が大寧寺で自害した後、興運自身も九州糟屋浜において義隆に殉じて自害したという記録、陶軍と戦い討ち死にしたという記録、義隆と同行し共に切腹したという記録があり、最期については定かではありません。

参考文献

* 近藤清石『大内氏實録』中元壮作、宮川臣吉、山口県山口町、1885年10月28日。 NCID BA33800345。 NDLJP:780384

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