杉若氏宗

杉若 氏宗の生涯

杉若氏宗（すぎわか うじむね）は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、重要な大名の一人です。彼は安土桃山時代に生き、熊野水軍を指揮した杉若無心の嫡男として知られています。通称は「伝三郎」であり、主殿頭の職を務めました。また、氏宗には丹羽長秀の妻（藤堂高吉の母）や神保相茂の妻、広橋総光の妻といった著名な血縁関係があり、彼の家系は当時の武士の中でも華やかでした。

略歴

氏宗は文禄年間（1592年から1595年）に家督を継ぎ、紀伊国田辺上野山城を拠点に1万9000石を治めることとなりました。父や同じ水軍の堀内氏善らと共に文禄の役に従軍し、その経験を積み重ねました。彼は休戦期間から慶長の役にかけて、加徳倭城の城番として桑山一晴や貞晴とともに城を守りました。

関ヶ原の戦いでは、父と共に西軍に属しました。慶長5年（1600年）の7月には、大坂城の玉造口を守備する役割を担いました。その後、9月には大津城の戦いに参加しますが、本戦での敗北の知らせを受けて降伏することになります。降伏後、徳川家康の命によって新宮城の攻撃に参加し、同城の落城後は少しの間駐屯して本領安堵の知らせを待っていました。

しかし、結局紀伊国は浅野幸長に与えられることとなり、氏宗は改易される運命を迎えます。このため、彼は逐電し、その後の足跡は不明となってしまいました。彼の人生は、戦乱の時代にあって数々の戦いに関与したものの、最終的には不遇な結末を迎えたことを示しています。

参考文献

氏宗についての詳細は、藩主人名事典編纂委員会による『三百藩藩主人名事典 第3巻』に収録されています。この書籍は新人物往来社から1987年に出版されており、ISBN番号は4404014023です。これにより、杉若氏宗の歴史的背景や彼の活動について、より深く理解することができます。

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