李之蘭

李之蘭（イ・ジラン）

李之蘭（1331年 - 1402年）は、高麗末期から李氏朝鮮初期にかけての武将で、女真族の出身です。元の名は豆蘭帖木児（ドラン・ティムール）といい、李成桂と出会う以前は、女真族の有力者である父、阿羅不花（アラブカ）のもとで育ちました。当時の咸鏡道は高麗の影響下に入りつつあり、李之蘭は配下を率いて高麗に帰順し、北青に住むこととなります。

李成桂との出会い

李之蘭は、後の李氏朝鮮の初代国王となる李成桂と出会い、弓術の腕比べを通じて意気投合、義兄弟の契りを結び、李姓を名乗るようになります。この出会いが、李之蘭のその後の人生を大きく変えることになります。

武将としての活躍

1380年、倭寇が鎮浦口に上陸し、全羅北道南原郡雲峰面に立てこもった際、李之蘭は李成桂軍の一員として戦いに参加します。この戦いで、倭寇の首領が金色の鎧をまとい白馬に乗って槍を振るう中、李之蘭は矢で首領を射止めました。これにより、倭寇は総崩れとなり、李成桂軍は勝利を収めました。李之蘭は、その後も李成桂の側近として数々の戦で活躍し、李氏朝鮮の建国に貢献しました。

李氏朝鮮建国と晩年

李氏朝鮮建国後、李之蘭は開国功臣の称号を得ました。晩年は、李成桂が退位して隠棲した際に付き従い、また、数多くの命を奪ったことを悔いて仏門に帰依しました。その生涯は、武将としての活躍と、晩年の悔悟という二つの側面を持つものでした。

死後

李成桂の死後、李之蘭は太祖宗廟に功臣として祀られました。また、青海李氏の祖として、その血筋は現代まで続いています。

参考文献

『高麗史』国書刊行会、1908年-1909年
「アジア人物史 6」 集英社 2023年

外部リンク

韓国国史編纂委員会　朝鮮王朝実録（韓国語、原文の漢文あり）
国立国会図書館デジタルライブラリ　高麗史（漢文）

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