李信恵

李信恵（イ・シネ）とは

李信恵（イ・シネ、Lee Sinhae、り しね、林田リンダ）は、1971年8月18日生まれの在日朝鮮人2.5世のライターです。東大阪市出身で、大阪芸術大学を卒業後、女性誌や地域情報誌でのライター活動を経て、フリーライターとしてインターネットニュースサイトや日刊ゲンダイなどに執筆しています。アメブロでは「李信恵 / 이（리）신혜 / 林田リンダ」と表記しています。

活動

李信恵氏は、日本国内における差別問題、慰安婦問題、教育問題などに関する分野を主に執筆しており、社会問題に対する深い洞察と批判精神を持つことで知られています。夕刊紙でSMクラブの連載を持っていたこともあり、「女王様」と自称していた時期もあります。2014年には、そのジャーナリズム活動が評価され、よりジャーナリスト賞を受賞しました。

ヘイトスピーチとの闘い

李信恵氏は、在日コリアンに対するヘイトスピーチや差別的な言動に強く反対しており、自らもその被害に遭っています。2014年には、在日特権を許さない市民の会（在特会）の元会長である桜井誠氏と、保守速報の運営者に対して損害賠償を求める訴訟を起こしました。

この訴訟では、桜井誠氏が街宣活動やSNSで民族、性別、年齢を侮辱する発言を行い、保守速報がそれらをまとめ記事として掲載したことが問題となりました。2016年、大阪地裁は、在特会と桜井氏に対し、名誉毀損と差別行為を認め、賠償を命じる判決を下しました。また、保守速報の運営者に対しても、名誉毀損と人種差別を理由に損害賠償が命じられました。これらの裁判は、ヘイトスピーチに対する司法判断として注目されました。

しばき隊リンチ事件とその後

2014年12月には、李氏が関与したとされる「しばき隊リンチ事件」が発生しました。反差別運動関係者との飲み会後、参加者の一人が暴行を受けました。当初、李氏は被害者を殴ったことを認め、謝罪文を提出し反差別運動を自粛しましたが、後に活動を再開しました。この事件を巡り、李氏は民事訴訟を起こされましたが、判決では、李氏が暴行を加えたという事実は否定されました。しかし、一部報道やネット上では、李氏が加害者であるという情報が拡散し、李氏は深刻な誹謗中傷にさらされることとなりました。

この事件に関して、李氏を批判した鹿砦社の松岡社長から名誉毀損で訴えられ、李氏も反訴を行いました。裁判の結果、李氏には一部賠償命令が下されました。また、李氏が鹿砦社を訴えた裁判では、李氏の関与について「日頃から人権尊重を標榜していながら、金によるＭに対する暴行については、これを容認」「道義的批判を免れない」と認定する内容となっています。この事件は、李氏の活動に対する批判を強める要因となりました。

その他の活動

李信恵氏は、沖縄の高江ヘリパッド建設問題にも関心を持ち、のりこえねっとの特派員として現地取材を行いました。また、慰安婦問題に関する発言も行っており、ソウルの日本大使館前で行われている水曜集会に参加した経験を語っています。

著書

李信恵氏は、以下の著書を出版しています。

『#鶴橋安寧―アンチ・ヘイト・クロニクル』 (2015年)
『#黙らない女たち』 (2018年, 上瀧浩子との共著)

これらの著書は、李氏の活動や思想を理解する上で重要な資料となっています。

まとめ

李信恵氏は、在日コリアンとしての自身の経験に基づき、社会における差別や不公正に立ち向かうライターです。その活動は、多くの人々から支持される一方で、大きな批判も受けています。ヘイトスピーチに対する裁判や、しばき隊リンチ事件など、彼女を巡る出来事は、日本の社会における差別や人権問題の根深さを浮き彫りにしています。李氏の今後の活動は、日本の人権問題の動向を占う上で、引き続き注目されるでしょう。

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