李応昇

李応昇（り おうしょう）

李応昇は、明代末期の官僚であり、東林党の有力なメンバーである「東林七賢」の一人として知られています。字は仲達、号は次見と称しました。その生涯は、不正を許さず、民衆のために尽力した人物として、後世に語り継がれています。

生涯

李応昇は、1593年に常州府江陰県で生まれました。1616年、進士に合格し、官僚としてのキャリアをスタートさせます。最初の任地である南康府では、推官として、無実の罪で死刑を宣告された19人を救い、逆に悪事を働いた者を処刑するなど、公正な裁きを行いました。この功績により、同僚の林学曾とともに「前林後李」と称され、その清廉潔白な人柄が称賛されました。

当時、九江府と南康府の間には、柯氏と陳氏という二つの有力な一族が存在していました。彼らは、元末の群雄の一人である陳友諒の子孫を自称しており、独自の勢力を誇り、官の追捕を拒んでいました。そのため、朝廷では討伐の議論も上がっていたほどでした。しかし、李応昇は単身で彼らを説得し、両一族はそれに従い、匿っていた罪人を自ら出頭させました。この出来事は、彼の胆力と民衆からの信頼の厚さを物語っています。

1622年、李応昇は北京に召還され御史に任じられましたが、一時帰郷しました。翌年秋に朝廷に復帰しますが、時の皇帝・天啓帝はまだ若く、政治は緩んでいました。李応昇は、皇帝を諫める上疏を提出しますが、聞き入れられませんでした。さらに、時政について意見を述べ、奸臣を排除し、法制を厳格化することを求めましたが、これも受け入れられませんでした。その後、南京都御史の王永光が、部下の范得志を庇い、公論を転倒させたとして弾劾しました。王永光は、最終的に辞任しました。

1624年1月、李応昇は、外患、内盗、小人の三つの災いについて上疏し、天啓帝の側近たちを批判しました。その結果、宦官の魏忠賢の憎しみを買うことになります。魏忠賢は東廠を掌握し、刑罰を乱用して士人を弾圧していました。李応昇は、魏忠賢の罷免を求めようと、十六の罪状を列挙した上疏を準備しましたが、兄にその内容を知られ、破棄されてしまいました。それでも李応昇は諦めず、楊漣が魏忠賢の二十四大罪を弾劾した際、続けて魏忠賢を糾弾する上疏を提出しました。しかし、魏忠賢の勢いは強く、李応昇は魏大中とともに魏広微を弾劾したことで、魏広微にも憎まれ、官位を剥奪されそうになりましたが、首輔の韓爌の弁護により、俸給1年分の剥奪で済みました。

1625年3月、李応昇は工部主事の曹欽程により、東林党を擁護していると弾劾され、官籍を削られました。さらに、翌年3月には、李実が周起元を弾劾した上疏の中に、李応昇の名前も含まれていました。逮捕された李応昇は、錦衣衛の拷問を受け、不正な財産3000を隠匿したという罪をでっち上げられました。そして、1626年閏6月2日、獄中で無念の死を遂げました。享年34歳でした。

1628年、李応昇の名誉は回復され、太僕寺卿の位が追贈されました。南[[明]]の福王政権の時には、忠毅と追諡されました。著書には『落落斎遺稿』10巻があります。

子女

李応昇には、李遜之という息子がいました。

脚注

[参考文献]
* 『明史』巻245 列伝第133

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