李英美

李 英美

日本の映像業界で活躍する編集技師、李 英美（り ひでみ）は、1977年に愛知県で生を受けました。映画、テレビ、プロモーションビデオ（PV）、そしてウェブコンテンツと、多岐にわたるメディアの編集を手がけています。特に映画分野での貢献は大きく、数々の話題作や評価の高い作品に関わっています。

経歴

李英美氏は、まず法政大学文学部にて学びを深めました。大学卒業後、映像編集の専門技術を習得するため、日本映画学校（現・日本映画大学）に進学。ここで映像編集の基礎から応用までを実践的に学び、編集技師としてのキャリアをスタートさせるための確固たる土台を築きました。

主な活動分野とフィルモグラフィー

編集技師は、撮影された膨大な映像素材を組み立て、物語に流れを与え、作品のテンポやリズム、感情表現を決定づける重要な役割を担います。李英美氏は、この映像編集のプロフェッショナルとして、幅広いジャンルの作品に関わってきました。

映画

李氏のキャリアにおいて中心となるのが映画編集です。様々な監督の作品に携わり、多様なスタイルに対応できる柔軟性と確かな技術を発揮しています。代表的な作品には、庵野秀明総監督の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』（2012年）、青山真治監督の『東京公園』（2011年）、中村義洋監督の『ポテチ』（2012年）などがあります。また、真利子哲也監督の『ディストラクション・ベイビーズ』（2016年）や、滝田洋二郎監督の『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』（2017年）、『北の桜守』（2018年）、そして黒沢清監督の『スパイの妻〈劇場版〉』（2020年）といった、国内外で評価された作品にも深く関わっています。その他にも、以下のような多くの劇場公開作品を手がけています。

今度の日曜日に（けんもち聡監督/2009年）
落語物語（林家しん平監督/2011年）
監督失格（平野勝之監督/2011年）
サクライロ（斎藤工監督/2012年）
巨神兵東京に現わる 劇場版（樋口真嗣監督/2012年）
すーちゃん まいちゃん さわ子さん（御法川修監督/2013年）
震える（関谷崇監督/2014年）
銀の匙 Silver Spoon（吉田恵輔監督/2014年）
クローバー（古澤健監督/2014年）
ねもしすたぁ（根本宗子監督/2015年）
もっと超越した所へ。（山岸聖太監督/2022年）

テレビ、PV、Web

映画以外にも、李氏はテレビ番組、プロモーションビデオ、ウェブコンテンツの編集も担当しています。テレビでは、ドラマ、ドキュメンタリー、情報番組、美術番組など、その種類は多岐にわたります。「MM9-MONSTER MAGNITUDE-」、「ハゲタカ SPECIAL EDITION」、「青山ワンセグ開発」、様々な「プレミアムステージ」作品、「美の壺」、「TOMORROW」、「日経スペシャル」、「TOKYOディープ!」、「BS朝日ザ・ドキュメンタリー」、「夢の扉+」、「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」、「ザ・ノンフィクション」、「極上！スイーツマジック」など、携わった番組は多数に上ります。

PVでは斎藤工監督の「サクライロ」や村上隆監督の作品を、Webでは「ゴールデンスランバー ビハインドストーリー」や「日本アニメ（ーター）見本市」といったプロジェクトに関わっており、その活動領域の広さを示しています。

受賞歴

李英美氏の編集技師としての功績は、複数の映画賞で評価されています。

2019年には、映画『北の桜守』での優れた編集技術が認められ、第42回日本アカデミー賞において優秀編集賞を受賞しました。
* 2020年には、映画『スパイの妻』の編集によって、第30回日本映画批評家大賞の編集賞（浦岡敬一賞）を受賞しています。

これらの受賞は、李氏が日本の映画界において高い評価を受けている編集技師の一人であることを証明しています。確かな技術と感性をもって、李英美氏はこれからも多くの映像作品に命を吹き込んでいくことでしょう。

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