李賢 (唐)

李賢について

李賢（り けん）は、中国・唐の時代に生きた皇太子であり、唐高宗の六男として知られています。彼の母は武則天で、字は明允、諡号は章懐太子（しょうかいたいし）です。李賢は中宗や睿宗の同母兄でもあり、その波乱に満ちた生涯は昨日あたりまでの歴史の中でも特に注目に値します。

早期の経歴

李賢は5歳で潞王に封じられ、6歳の頃には雍州牧や岐州刺史といった多くの官職を兼任しました。彼は11歳で沛王、揚州都督、さらに左武衛大将軍に任命されるなど、幼いころから政治の世界に深く関わっていました。この頃から彼の教養の高さも際立ち、儀鳳元年（676年）には学者たちと協力して『後漢書』の注釈を完成させました。

皇太子への道

しかし、彼の順風満帆の地位は長くは続きませんでした。上元2年（675年）、同母兄の李弘が突如として死去し、その結果李賢は皇太子に昇格しました。しかし、母である武則天は次第に彼に対して冷淡になり、彼を弟の栄王顕（後の中宗）に譲るよう迫ったのです。このような家庭内の争いが彼の運命を大きく変えることとなります。

その後、調露二年（680年）は李賢にとって非常に厳しい時期となります。武則天は正諫大夫の明崇儼との対立を利用し、彼を襲わせて殺害させました。これを口実に、李賢の屋敷を捜索し、武器と甲冑が多数発見されたとして彼を謀反の罪で訴えました。高宗は彼に対して愛情を持っていましたが、武則天は「賢は謀反を企てた」と断罪し、李賢は皇太子の座を追われ、庶民へと落とされてしまいました。

流罪とその後

永淳2年（683年）には、李賢は巴州に流されます。その後、文明元年（684年）、武則天は監視役の丘神勣を派遣しますが、彼が李賢を幽閉し、最終的には自殺に追い込んでしまいます。この事件の後、丘神勣は武則天により出世しますが、李賢の運命は暗いままでした。ただし、彼の死後、睿宗が復位すると、李賢は皇太子の地位に戻され、「章懐」の諡号が贈られました。また、彼の唯一の生き残った子息、次男の李守礼も邠王に封じられました。

子孫について

李賢の子である李守礼は多くの子供をもうけ、その中には唐代の重要な人物も存在しました。中でも、彼の孫である広武王李承宏は、広徳元年（763年）に吐蕃により皇帝に選ばれますが、すぐに捕らえられてしまいます。また、敦煌王李承寀は安史の乱の際にウイグルから援助を求め、さらには金城公主は景龍4年（710年）に吐蕃王ティデ・ツクツェンに嫁いだことが知られています。このように、李賢の子孫は唐の歴史の中で重要な役割を果たす人物を多く輩出しました。

結論

李賢の生涯は、皇族の中での栄華から波乱の展開、再び復権を果たすまでの道のりを経て、唐の歴史の中でも特異なものだと言えるでしょう。その教養や子孫については、今日まで語り継がれています。彼の物語は、権力争いと家族の関係が交錯する中で、如何に歴史が動いていくかを深く考えさせるものであり、またその教訓も今に通じるものがあるのです。

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