李龍熙

李龍熙：金大中政権を支えた忠実な側近

李龍熙(イ・ヨンヒ、1931年6月10日-2022年10月16日)は、韓国を代表する政治家の一人です。長年にわたり国会議員を務め、金大中大統領の側近として、韓国の民主化と発展に大きく貢献しました。その生涯と功績を詳しく見ていきましょう。

輝かしい経歴：地方政治から国政へ

日本統治時代の忠清北道沃川郡に生まれた李龍熙は、大田師範学校、建国大学校政治外交学科、高麗大学校経営大学院と、着実に学問を積みました。政治家としてのキャリアは1971年、新民党宣伝局長と内外問題研究所企画室長に就任したことから始まります。その後、1973年の第9代総選挙で初当選を果たし、国会議員としての道を歩み始めます。

以後、新民党地区党委員長、院内副総務、政務委員、事務総長など要職を歴任。統一民主党副総裁、民主党永登浦乙地区党委員長、顧問、新政治国民会議第15代大統領選挙忠北選挙支援団団長、開かれたウリ党常任顧問など、様々な政党を渡り歩きながら、その政治手腕を発揮しました。

特に注目すべきは、2006年から2008年まで務めた第17代国会副議長です。国会副議長として、数々の重要な立法や政策決定に携わり、韓国政治に大きな影響を与えました。また、自由先進党忠北道党委員長、常任顧問、2007年大統領選挙鄭東泳民主新党候補選挙対策委員会最高顧問、18代国会農林水産食品委員会委員、法制司法委員会委員、共に民主党常任顧問など、幅広い分野で活躍しました。

さらに、1987年の直選制改憲前の「与野党8人政治会談」への参加も、彼の政治家としての重要な経験の一つです。この会談は、韓国の民主化に大きな転換点をもたらす重要な出来事でした。

金大中大統領との深い関係：「DJの右腕」

李龍熙は、金大中大統領の側近として知られており、「DJの右腕」と称されるほど深い信頼関係を築いていました。金大中大統領の政策実現に大きく貢献したことは、彼の政治家としての大きな功績と言えるでしょう。その信頼関係の深さから、数々の重要な政策決定に影響を与えたとされています。

家族：政治家としての血脈

李龍熙の息子であるイ・ジェフンは、かつてタレントとして活躍していましたが、2007年に胃癌で亡くなっています。また、三男の李在漢は、元文化体育部長官の李敏燮の娘婿であり、忠清北道南部4郡（報恩郡・沃川郡・永同郡・槐山郡）の選挙区で共に民主党の地域委員長を務めています。国会議員選挙にも挑戦していますが、2023年現在では当選に至っていません。

晩年と没後

長年にわたる政治活動の後、李龍熙は持病により2022年10月16日、91歳で亡くなりました。彼の死は、韓国政治界に大きな衝撃を与えました。その功績は、韓国政治史に長く刻まれることでしょう。

李龍熙の生涯は、韓国の民主化と発展に大きく貢献した政治家の物語です。地方政治から国政へと上り詰めた彼の経験、金大中大統領との深い関係、そして家族の歩みは、今後の韓国政治を考える上で重要な示唆を与えてくれるでしょう。彼の功績は、未来の政治家たちにとって、貴重な教訓となるに違いありません。

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