杏子のスーパーギャング

『杏子のスーパーギャング』は、1987年4月7日から1989年4月4日まで、TBSラジオの深夜番組『スーパーギャング』の火曜深夜（水曜未明）枠で放送されたラジオ番組です。JRN系列で放送され、パーソナリティはBARBEE BOYS|BARBEE_BOYSの杏子が務めました。放送時間は毎週火曜深夜25:00から26:45までで、深夜帯にリスナーを魅了しました。

番組は「姫始めラジオ」というキャッチフレーズでスタートし、主なターゲットは女性リスナーでした。杏子の大学時代の同級生であり、詩人・エッセイストの白石公子がレギュラー出演し、番組を盛り上げました。杏子は、当初、異なる分野で活動する人物を共演者に求めていましたが、「公子がいる」と思い出し、白石公子との共演が決まったとされています。

杏子が初めて『スーパーギャング』のパーソナリティを務めたのは、1987年1月2日深夜（1月3日未明）でした。この時は、通常のパーソナリティであるカールスモーキー石井がニューヨークに渡航したため、その代役として出演しました。この回は『杏子の'87姫はじめラジオ』と題され、白石公子も共に出演しています。

番組にはリスナーからの投書が多数寄せられ、封書での投稿も多く見られました。番組では、手紙の内容から話題を広げたり、恋愛やいじめなどの悩みに答えたり、時には性的な話題にも触れるなど、リスナーとの距離が近い番組作りが特徴でした。杏子は、リスナーの中には中高生女子だけでなく、OLや50代の男性からの投書もあったと語っています。番組内では、スタッフによる人気投票企画も行われ、1位になったリスナーは生放送中にマイクの前で話す機会が与えられました。

番組中、杏子が中島みゆきに声が似ているという指摘を受けることが多く、イメージチェンジを図ろうとしたこともありました。口をとがらせてトークを試みたものの、スタッフから「余計に似ている」と指摘され、すぐに元のスタイルに戻したというエピソードも残っています。

番組のノベルティグッズには、オリジナルのテレホンカード、千社札風のステッカー（「杏子　スーパーギャング」と「恋愛成就」の文字入り）、番組ロゴ入り腕時計、オリジナルTシャツなどがありました。

1987年7月14日深夜には、屋形船からの生放送も行われました。

番組終了後の1992年3月13日深夜には、杏子は土橋安騎夫と共に再び『スーパーギャング』のスペシャルパーソナリティを務めています。

主なコーナー・企画

• - ダイエット同盟

番組内で結成されたダイエット企画。リスナーと共に「間食しない」「三食必ず食べる」「脂物を控える」「寝る前3時間は絶対食べない」という四つの基本ルールを遵守し、「ちょっと待て!その一口がブタになる!私はもう大ブタだ!」という「呪いの言葉」をリスナーに呼びかけました。清涼飲料水の味比べや「三日坊主ダイエット」に関する話題も取り上げられました。

• - フロムB

「Aは通り越したけど、Cは考えたくない。Bから始めよう」というコンセプトのもと、リスナーからの投書を紹介し、話題を広げるコーナー。下着の数当てゲームも行われました。

• - Hしりとり

1987年9月8日深夜には、スペシャル版『究極Hしりとり大賞』が放送されました。

• - 片思い通信

1987年5月26日にスタートしたコーナー。1988年2月9日深夜には、『片思い宅配便』の企画が放送されました。

• - 私、許せない！

• - 好きだぜ、父ちゃん

少し変わった父親の言動を紹介するコーナー。締めの決め台詞は「好きだぜ、父ちゃん」で、杏子は独特な節回しでコールしていました。父親だけでなく、母親、先生、友人など身近な人物の話題にも広がりました。

• - 暗い少年 これができる

それまで暗いとされてきたことを、逆に笑い話にするコーナー。「暗い少年なら、東海道線の駅名が全部言える」といった内容が紹介されました。

• - バレンタインスペシャル（1989年2月14日）

女性リスナーが本命チョコを贈った結果を報告する企画。当日、他のリスナーからも電話で体験談を募集したところ、多数の電話が殺到しました。杏子が電話でリスナーと直接トークする場面もありました。100件以上のメッセージが寄せられました。

スタッフ

• - 構成作家：飯田まち子、舘川範雄
• - ディレクター：高綱康裕

書籍

• - 『好きこそ物の上手なれ』（杏子 著、杏子のスーパーギャング 編、シンコーミュージック、1988年5月刊）

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