村上正路

村上 正路の生涯と業績

村上正路（むらかみ まさみち、1852年 - 1917年）は、日本陸軍の著名な軍人であり、その最終階級は陸軍歩兵大佐です。山口県に生まれた彼は、明治8年に陸軍戸山学校に入学し、その翌年に少尉試補に任官して軍人としての道を歩み始めました。この文章では、彼の経歴や戦争体験、捕虜生活について詳しく紹介します。

経歴の詳細

村上は、明治10年に西南戦争に出征し、その後も多くの戦争に参加しました。特に、日清戦争では歩兵第13連隊の大隊長として重要な役割を果たしました。明治35年、彼は歩兵中佐に昇進し、翌年には歩兵大佐に進みました。日露戦争においても村上は歩兵第28連隊長として従軍し、重要な戦闘に参加しました。

日露戦争とその活躍

村上は、明治37年の旅順攻囲戦に参加し、11月30日には203高地の奪取に成功しました。この功績が認められ、乃木希典第3軍司令官から個人感状を授与されました。しかし、彼の戦歴は順調ではなく、奉天会戦においての夜襲中に負傷し、ロシア軍の捕虜となってしまいました。

捕虜生活

捕虜となった村上は、約1,800名の日本人捕虜と共にロシアのメドヴェージ村に移送され、そこで収容所の監督役を担うことになりました。彼のもとには多くの部下が集まり、捕虜生活を送る中で彼らの統率を図りました。戦後、村上は日本へ帰国し、その後の調査において軍法会議にはかけられませんでした。

帰国とその後

帰国後、村上は休職を経て後備役に編入されましたが、軍歴を紐解くと彼はその後も陰湿な冷たい視線にさらされていたことがわかります。具体的には、第7師団司令部付に在任していた際、下級将校からの敬礼を受けないなど、捕虜経験者への偏見が根強かったことを示しています。また、彼は本籍地を山口県から兵庫県に移し、これも捕虜問題に対する世間の反応を反映していた可能性があります。

栄典と評価

村上は、軍人としてだけでなく国家に貢献した人物としても認められており、いくつかの位階や勲章を受賞しています。正五位や勲三等瑞宝章などはその証です。彼の功績や戦歴は、後世に語り継がれるべきものであり、特にその過酷な捕虜生活は多くの人々にとっては一つの教訓となるでしょう。

親族

村上正路には三男がいて、その河村恭輔は陸軍中将に昇進しています。このように、村上正路の家族も軍人としての道を歩んでいました。

参考文献

• - 吹浦忠正著『捕虜たちの日露戦争』、NHKブックス。
• - 銜翠居士編『配所廼月』、国立国会図書館所蔵。

もう一度検索