村上知彦

村上知彦の概要

村上知彦（むらかみ ともひこ）は、日本の著名な編集者であり漫画評論家である。1951年11月29日に生まれた彼は、神戸松蔭女子学院大学文学部の元教授として多方面での活動を展開してきた。また、手塚治虫文化賞の選考委員としても知られており、その影響力は広範囲にわたる。彼の父、村上三郎は、「具体」のメンバーとして活躍した画家であり、村上の芸術に対する感性の発展に寄与したと考えられている。

生い立ちと教育

村上は兵庫県芦屋市で生まれ、1歳の時から西宮市で育った。彼は関西学院中学部・高等部に進学し、高校時代に映画と文学に興味を持つようになる。文化祭の際、高校生による自主映画の上映を企画したことで、同じ学年の大森一樹と出会い友人となった。この出会いが後の映画制作への道を切り開くことになる。

1967年、彼は創刊された漫画雑誌『COM』に強い影響を受け、特に峠あかねの評論に触発された。この体験は、彼の後の評論活動に多大な影響を与えた。

映画と編集者としての活動

大学在学中の1973年、村上は大森や西村隆と共に映画の自主上映グループ「グループ無国籍」を結成した。新開地の映画館で邦画のオールナイト上映を行い、大森の自主映画作品に共同脚本や俳優として参加することで、映画業界においてもその名を知られるようになった。

1975年に関西学院大学を卒業後、スポーツニッポンに入社し、校閲部と文化部の記者を経て、1980年には「チャンネルゼロ」を設立に参加した。この会社で、いしいひさいちやひさうちみちお、川崎ゆきおといった著名な漫画家の単行本を出版し、季刊の漫画誌『漫金超』の発行にも関わった。1981年からは情報誌『プレイガイドジャーナル』の編集長を務め、約2年半にわたりその運営に携わった。

学会活動と著作

村上は日本マンガ学会の理事、日本漫画家協会では参与として活動するなど、学界においてもその存在感を示している。また、彼の著書には、『黄昏通信（トワイライト・タイムス）同時代まんがのために』、そして『まんが解体新書 手塚治虫のいない日々のために』などがあり、漫画の歴史や文化に関する深い洞察を提供している。

彼は共編著としても数多くの作品に関わっており、特に『マンガ批評大系』や『手塚治虫がいなくなった日』などは、漫画の批評や研究に重要な位置を占めている。さらに、『再び大阪がまんが大国に甦る日』や『日本短編漫画傑作集』等の共同監修にも名を連ね、その業績は多角的である。

メディアへの出演

テレビ番組「BSマンガ夜話」ではゲストとして数多くの回に出演し、自身の見解や漫画文化についての見識を広めてきた。彼の知識と経験は、多くの視聴者に影響を与えていることは間違いない。さらに、手塚治虫文化賞の選考委員としての経歴も、彼の業界における重要性を示している。

結論

村上知彦は、編集者や評論家としての活動を通じて、日本の漫画界に多大な貢献をしてきた。彼の豊富な知識、深い洞察力、そして巻き込まれた数々のプロジェクトは、日本の文化と文学をより豊かにするための重要な要素となっている。彼の今後の活動にも期待が寄せられる。

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