村国虫麻呂

村国虫麻呂の生涯と官歴



村国虫麻呂（むらくに の むしまろ）は、奈良時代に活躍した官人であり、彼の経歴は当時の政権事情を反映しています。彼の名は武志麻呂とも記され、姓は連、位階は外従五位下にありました。虫麻呂の政治的な歩みは、特に藤原仲麻呂との関わりによって彩られています。

経歴の始まり



虫麻呂は、淳仁朝の天平宝字5年（761年）に外従五位下に叙せられ、官人としてのキャリアがスタートしました。この時期、彼はさまざまな役職を歴任し、特に播磨介（はりまのすけ）としての任命がなされました。天平宝字7年（763年）4月には播磨介に就任し、翌年の天平宝字8年（764年）1月には藤原仲麻呂の子息である辛加知の越前守の任官と同時に、その下僚である越前介に任命されました。

当時の日本は、藤原仲麻呂の政治的影響が強く、虫麻呂もその政権の一翼を担っていたと考えられます。彼は仲麻呂政権下で主要国の介を歴任し、政権の中枢に迫る存在だったのです。

藤原仲麻呂の乱とその影響



しかし、同じ年の9月に発生した「藤原仲麻呂の乱」は、虫麻呂の運命に大きな影響を及ぼしました。この乱では辛加知が孝謙上皇側の佐伯伊多智に斬られる悲劇がありました。一方で、虫麻呂は仲麻呂側についたと見なされ、官位を剥奪されることとなりました。この事件は、虫麻呂にとって厳しい試練でした。

同じ時期に、彼の一族にあたる村国島主も孝謙上皇側の使者によって誅殺されています。これらの出来事は、政権交代の混乱を象徴するものであり、村国虫麻呂の生命の運命もこの乱によって大きく狂わされたのです。

復権の道



その後、称徳朝の天平神護2年（766年）には、島主の名誉が回復され、再び従五位下の位階が贈られました。この頃、虫麻呂も無位から正式に外従五位下に復され、官歴を回復することとなります。このようにして、虫麻呂は政治の舞台に戻ってくることができました。

官歴の詳細



村国虫麻呂の官歴について、以下のようにまとめられます。彼の功績やその時期によって、役職は変動しましたが、上記の経歴の通りであり、「続日本紀」にも記載があります。


結論



村国虫麻呂は、奈良時代の重要な政治的変動の中で生き抜いた官人であり、政権の振動による運命の変化を経験しました。その業績は当時の外交や内政においても影響を与えるものでした。彼の生涯は、歴史の流れの中で散りばめられた数多くのエピソードを物語っています。

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