村木鴻二

村木鴻二について

村木鴻二は、1940年（昭和15年）1月29日に満洲チチハルで生まれた日本の航空自衛官です。父親も陸軍軍人であり、その影響からか、自身もパイロットを志し、防衛大学校に進学しました。卒業後は航空自衛隊に入隊し、戦闘機のパイロットとして活躍しました。その後、航空幕僚長にまで昇りつめ、航空自衛隊の発展に大きく貢献した人物です。

生い立ちとパイロットへの道

村木は、幼少期を中国東北部（旧満州）で過ごし、その後、山口県萩市へ移住しました。父親が航空自衛隊に入隊したことをきっかけに、東京の高校へ転校。自身も父と同じパイロットを目指し、1958年（昭和33年）に防衛大学校に入学しました。学生時代はバスケットボールに熱中し、神奈川県のリーグで最優秀選手に選ばれるほどの実力を持っていました。

航空自衛隊でのキャリア

防衛大学校卒業後、航空自衛隊に入隊。幹部候補生学校を経て、念願のパイロットとなりました。最初の部隊勤務は第4航空団第7飛行隊で、F-86F戦闘機を操縦しました。その後、F-104、F-4と機種転換を重ね、様々な部隊で経験を積みました。特に、1976年（昭和51年）のミグ25事件では、第302飛行隊の先任幹部として、事件の対応に当たりました。

1973年（昭和48年）には、初の航空幕僚監部（空幕）勤務となり、防衛畑を歩み始めます。防衛班長時代には、E-2C早期警戒機の導入や、ナイキJミサイルの後継となるパトリオットミサイルの導入、基地防空部隊の新設などに尽力。防衛課長時代には、航空自衛隊の部隊改編（M改編）や、次期支援戦闘機（FSX）問題に関する日米共同開発の決定に関わりました。また、空幕人事教育部長時代には、航空自衛隊の魅力化施策である「翼計画21」（WING21）を推進、空幕副長時代には、航空自衛隊の将来を見据えた「NEXT10年」プロジェクト（N-10）に取り組みました。これらの業績が認められ、1996年（平成8年）には、第23代航空幕僚長に就任しました。空幕長在任中は、日米関係の強化や日韓ホットラインの運用開始など、国際的な協力関係の構築にも尽力し、1997年（平成9年）12月に退官しました。

退官後

退官後の2012年（平成24年）には、長年の功績が認められ、秋の叙勲で瑞宝重光章を受章しました。村木の航空自衛隊における貢献は、非常に大きなものといえるでしょう。

年譜

1962年（昭和37年）3月：防衛大学校卒業、航空自衛隊入隊
1963年（昭和38年）2月：飛行教育集団司令部付（操縦課程）
1965年（昭和40年）7月：第4航空団第7飛行隊（松島基地）
1968年（昭和43年）2月：第4航空団（F-104機種転換課程入校）
1968年（昭和43年）5月：第2航空団第201飛行隊
1971年（昭和46年）10月：第2航空団第201飛行隊飛行班長
1972年（昭和47年）6月：米空軍大学指揮幕僚課程研修
1973年（昭和48年）3月：航空幕僚監部防衛部防衛課防衛班勤務
1973年（昭和48年）7月：3等空佐に昇任
1975年（昭和50年）11月：第2航空団（F-4機種転換課程入校）
1977年（昭和52年）3月：第2航空団第302飛行隊飛行班長
1977年（昭和52年）7月：2等空佐に昇任
1978年（昭和53年）3月：航空自衛隊幹部学校学校教官
1979年（昭和54年）8月1日：第7航空団第301飛行隊長
1981年（昭和56年）7月：1等空佐に昇任
1981年（昭和56年）9月：防衛研修所入所
1982年（昭和57年）7月12日：航空幕僚監部防衛部防衛課防衛班勤務
1982年（昭和57年）12月21日：航空幕僚監部防衛部防衛課防衛班長
1985年（昭和60年）1月16日：第5航空団付（F-15転換課程）
1985年（昭和60年）3月16日：第5航空団飛行群司令
1986年（昭和61年）3月17日：航空幕僚監部防衛部防衛課長
1987年（昭和62年）7月7日：空将補に昇任
1988年（昭和63年）1月22日：第8航空団司令 兼 築城基地司令
1990年（平成02年）7月9日：航空幕僚監部人事教育部長
1992年（平成04年）6月16日：空将に昇任、南西航空混成団司令
1993年（平成05年）7月1日：航空幕僚副長
1996年（平成08年）3月25日：第23代 航空幕僚長
1997年（平成09年）12月8日：退官
2012年（平成24年）11月3日：秋の叙勲にて瑞宝重光章を受章

栄典

レジオン・オブ・メリット・コマンダー - 1997年（平成9年）4月21日
* 瑞宝重光章 - 2012年（平成24年）11月3日

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