村瀬玉田

村瀬 玉田

村瀬玉田（むらせぎょくでん、1852年5月26日 - 1917年10月12日）は、明治から大正時代にかけて活躍した日本画家です。彼は本名を榎清次郎（えのきかまじろう）とし、別名として彩雲亭という号を使っていました。四条派に属し、その特色を受け継ぐ実力派の画家として知られています。特に写実的な表現による山水画や花鳥画が得意であり、彼の代表作には「雉子図」や「柳鷺」などが含まれます。

生涯の歩み

村瀬玉田は、1852年の寛永5年に京都の上京区で生まれました。彼は若い頃から絵に興味を持ち、13歳の時に四条派の名門・村瀬双石に弟子入りしました。その後、双石の養子となることで村瀬徳温という名を名乗ることになります。また、漢学を宮原龍から、和歌を渡忠秋から学ぶなど、幅広い教育を受けることで、後の作品にもその影響が色濃く表れました。

25歳頃、玉田は近江国や美濃国、尾張国、武蔵国、丹波国といった日本各地を訪れ、写生や絵の勉強に励みました。1880年には京都府画学校に出仕し、次の年には内国勧業博覧会で妙技3等賞を受賞します。この受賞は彼の画家としての名声を高めるきっかけとなりました。

1882年には第1回内国絵画共進会で銅印を受賞し、1884年の第2回では銅章を受章。京都を中心に活動を続け、さらには東京へも進出します。この時期に参加した京都博覧会や東洋絵画共進会などでの受賞が続き、彼の評価はますます高まりました。また、海外の博覧会へも出品し、1900年のパリ万博や1904年のセントルイス万博、1910年の日英博覧会などに作品を送りました。

玉田は皇室のために御用画を描くことも多く、特にその技量は高く評価されました。彼の作品は皇室にも用いられるなど、高い地位にあった画家でした。また、東都画壇でも技術が認められ、龍池会に参加。東洋絵画共進会では審査員に推挙され、同展が日本美術協会へと移行した後も高位の受賞を重ね、審査員や委員として関わることでその中心的な役割を果たしました。さらに、帝室技芸員に任命されるなど、彼の影響力は画壇において非常に大きかったです。

彼の遺産

1917年10月12日に66歳でこの世を去った村瀬玉田の墓所は、東京都中央区築地にある浄土真宗・築地本願寺の子院、善林寺にあります。彼の作品や業績は、今もなお多くの人々に愛され、評価されています。村瀬玉田の生涯を通じての作品群は、日本の伝統的な美術を現代に伝える貴重な文化遺産として、大切に受け継がれることでしょう。

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