杜黄裳

杜黄裳の生涯と業績

杜黄裳（とこうしょう）は738年に誕生し、808年に亡くなった唐代の著名な官僚であり政治家です。彼の字は遵素で、本貫は京兆府万年県にあります。彼は進士試験と宏辞科を通じて学問を修め、名声を得ました。

初期の経歴

杜黄裳は著名な政治家である杜鴻漸に見出され、彼と共に政治の舞台に立ちました。その後、朔方節度使の郭子儀の下で従事し、その才能を発揮しました。郭子儀が入朝すると、朔方の留守を預かり、その責務を果たしました。

ある時、邠州の将である李懐光が陰謀を巡らし、偽の詔書を作成して大将を殺そうと企てました。著しい洞察力を持つ杜黄裳は、これが詐欺であることを見抜き、迅速に対処しました。彼は李懐光に告げ口し、李懐光は罪を認め、反乱を未然に防ぎました。

その後も杜黄裳は多くの貢献をし、建中4年には司封郎中から給事中に昇進。また、貞元5年には河南尹として出向しました。彼は再度入朝し、侍御史を任されましたが、裴延齢との対立から10年間の間、官職が変わることはありませんでした。

政治的立場と影響力

貞元の末年には太子賓客として韋曲に住み、後に太常寺卿に転任しました。王叔文が政権に近づいた際、杜黄裳は彼に求めて近づこうとせず、韋執誼に対して皇太子の政権監視を求めるよう助言しました。しかし、韋はこれに反抗し、黄裳は激怒して退席しました。

その後、皇太子李純が国政を代行する際、杜黄裳は昇進し、門下侍郎・同中書門下平章事（宰相）としてその職務に就きました。彼は邠州節度使の韓全義が討伐の任において結果を出さなかったため、上奏により彼を罷免させる決断を下しました。

最後の功績と死去

元和元年には西川節度副使の劉闢が乱を引き起こしましたが、議論の中には兵を起こさないべきだとする意見が多かった中、杜黄裳は断固として討伐を主張しました。この意見が憲宗に受け入れられ、宦官の監軍案件も改められ、彼は軍の指揮を直接行いました。結果、高崇文が劉闢の乱を鎮圧することに成功しました。

その後、憲宗が藩鎮の任免について杜黄裳に意見を求めた際、彼は法律制度に基づいた整理を上奏しました。元和2年には検校司空・同平章事に昇進し、河中尹および州節度使も兼務しました。彼は8月に邠国公に封ぜられましたが、元和3年には河中府で71歳で亡くなりました。

家族と後世への影響

杜黄裳には二人の子供がいます。長男の杜載は、長慶年間に太僕寺少卿となり、御史中丞を兼任し、吐蕃への使節としても活躍しました。次男の杜勝は、進士として官職に就き、戸部侍郎や判度支としての役割を果たしました。

杜黄裳の生涯を通じて、彼は数々の功績を残し、後の時代に大きな影響を与えました。その政治的洞察力と決断力は、今なお評価され続けています。

もう一度検索