条坊制

条坊制の概要

条坊制（じょうぼうせい）は、中国や朝鮮半島、日本などの都市において見られる計画的な都市設計の形態です。この構想は、都市を南北と東西に伸びる大路で交差し、碁盤の目のような形状にしたもので、左右対称の方形を基本としています。特に南北に位置する朱雀大路を中心に構築され、この道路からいくつかの通りが放射状に広がるというデザインが特徴です。

背景と思想

条坊制の思想は、儒教の教典『周礼』に触発されており、その中では王の城は正方形であり、南北・東西に街路が配置され、中央には天子の宮が構造されるとされています。この考え方に従って、城は実際に9里の一辺を持ち、それぞれの側面に3つの門を設けることが提唱されました。これにより、効率的に都市を運営し、設計することができるとされ、中国から朝鮮半島や日本へとその思想が伝わっていきました。

各国の例と特長

中国では、条坊制は風水説などと並び、都市計画において重要な役割を果たしましたが、宋代に入るとそのスタイルの採用は減少しました。一方、朝鮮半島では、7世紀後半には新羅の王京においてこのシステムが取り入れられたとされています。

日本においても、条坊制は藤原京や平城京、長岡京、平安京など、歴史的な都に反映されています。特に、地方の中心地である大宰府や多賀城などでもその影響が見られます。ただ、しばしば異民族からの侵攻が懸念された大陸の都市とは異なり、日本では城壁を設けることが少なく、平城京や平安京では朱雀大路の門が「羅生門」という名称で呼ばれていることも含まれます。

現代への影響

条坊制の遺構やそのデザインは、明治時代以降に開発された北海道の都市計画にも引き継がれ、現在の札幌市や旭川市などで、住所名に「〇条〇町（〇丁目）」といった形で見られています。これは、古代の都市計画が現代にも影響を与えている証拠とも言えるでしょう。

結論

条坊制は、その整然とした都市設計と効率的な街区配置により歴史的に重要な意義を持ち、ついには現代の都市計画にも大きな影響を及ぼすこととなりました。こうした伝統が、地域社会や文化の形成にも寄与していることは否めません。

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