来目皇子

来目 皇子（くめのみこ）

来目皇子は飛鳥時代の重要な皇族であり、生年は不詳ではあるが、推古天皇11年の2月4日（603年3月25日）に没しました。彼は用明天皇の子であり、また久米王とも呼ばれています。彼の生涯は、周囲の歴史的な出来事と深く結びついており、特に征新羅に関連する計画が彼の運命を大きく変えることとなりました。

略歴

推古天皇10年（602年）の2月、新羅に対する征討計画が立ち上がりました。この時、来目皇子は征新羅大将軍に任命され、軍25,000を指揮することになりました。彼は同年の4月、筑紫国に赴き、島郡に屯営しますが、不運なことに6月には病にかかり、意図していた新羅への進軍は延期せざるを得ませんでした。結局、来目皇子は新羅を征討することなく、翌年の推古天皇11年に筑紫にて亡くなりました。

彼は周防の娑婆に殯（もがり）され、その遺体は土師猪手によって管掌されました。後に、彼の墓は河内国埴生山に建立され、特に現在では、大阪府羽曳野市に位置する塚穴古墳が彼の墓とされ、宮内庁が管理を行っています。この古墳は方墳で、一辺が約50メートルの大きさを持っています。

系譜

来目皇子の家系については、彼の父である用明天皇と母の穴穂部間人皇女が重要な役割を果たしています。穴穂部間人皇女は欽明天皇の皇女であり、用明天皇の異母妹にあたります。また、来目皇子は田目皇子の異母兄でもあります。彼には聖徳太子、殖栗皇子、茨田皇子という同母の兄弟がいます。

来目皇子は、由波利王（桜井弓張皇女とも）を妃として迎えました。この由波利王は敏達天皇および推古天皇の皇女であり、結婚前または来目皇子の死後には押坂彦人大兄皇子の妃とも考えられています。彼らの間には男王や星河女王、佐富王といった子どもたちが生まれています。また、比里古郎女も妃として彼のもとにいました。彼女は膳傾子女の妹であり、二人の間には高椅王という男子が生まれています。

また、生母不詳の子女としては日田王が存在し、彼の子孫には登美真人がいるとされています。

脚注

来目皇子の生涯や家系に関しては、関連する文献として宝賀寿男の『古代氏族系譜集成』を挙げることができます。この論文は古代の氏族についての貴重な情報源となっています。

関連項目

来目皇子にちなんだ関連項目として、彼が開基とされる久米寺や、久留米市の地名の由来とされる説が挙げられます。

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