東久世通禧

東久世 通禧の生涯と業績

東久世通禧（ひがしくぜ みちとみ、1834年1月1日 - 1912年）は、日本の江戸時代末期から明治時代にかけて活躍した公家であり、政治家、茶人として知られています。彼は尊王攘夷派として幕末の動乱を生き抜き、王政復古の大号令を経て新政府の重要な職務に尽力しました。なお、彼の号は竹亭や古帆軒に名を残しています。

幼少期と初期の経歴

東久世通禧は、天保4年（1833年）に東久世通徳の子として京都で誕生しました。幼名は保丸でした。1842年には東宮統仁親王の御児に選ばれ、皇族に仕える立場となり、朝廷内での要職を目指す基盤を築きました。彼は尊王攘夷を唱える公家として名を馳せ、幕末には次第に影響力を増していきました。

七卿落ちと新政府での働き

しかし、文久3年（1863年）には八月十八日の政変が起こり、尊王攘夷派の公家たちは長州藩の助けを得て、長州へ逃れることになります。この事件は「七卿落ち」として知られており、通禧もその一人として運命を共にしました。

1868年、王政復古による復権が彼に与えられ、外国事務総督に任命されます。通禧は、新政府の初期の外交問題である神戸事件の解決に尽力し、伊藤博文と共に交渉に臨みました。また、横浜裁判所総督や江戸開市事務総督も兼任し、外国との関係構築に努めました。

開拓事業の進展

明治2年（1869年）には開拓長官に就任し、開拓使の事業を本格化させる役割を担いました。彼はイギリスの雇船で北海道へ赴き、第一次開拓事業を推進しました。さらに、ガルトネル開墾条約事件の和解に貢献し、開拓使の発展に寄与しました。

後年の業績と栄典

その後の経歴では、侍従長、元老院副議長を務め、爵位は1884年に伯爵に叙されました。貴族院副議長や枢密院副議長などの要職も歴任し、政治的影響力を持ち続けました。明治31年（1898年）には「和敬会」の設立に参加し、茶事を通じての交流を深めたことでも知られています。

私生活と家族

通禧の家族は東久世家という村上源氏の分家に属しており、彼は妻貞子との間に5男1女をもうけました。長男通敏は伯爵として名を残し、家督を継ぐことになります。

死去と墓所

1912年に逝去した通禧の墓所は中目黒の長泉院にあります。彼の多彩な業績と政治的な意義は、日本の近代史において重要な位置を占めています。

栄典

通禧は数々の栄典を受けており、特に1884年に伯爵に叙され、さらに旭日大綬章など名誉ある称号を授与されました。これらの栄績は彼の政治家としての影響力を物語っています。

結論

東久世通禧は、日本の歴史において特異な存在感を放つ人物であり、幕末から明治初期にかけての改革に大きく寄与した政治家として称えられています。

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