東京三世社

株式会社東京三世社について

株式会社東京三世社（とうきょうさんせいしゃ）は、日本の成人向け出版の草分け的存在として、1952年に設立され、2010年までの約58年間にわたって活動を続けました。出版社の歴史は、前身となる三世社や三世新社の流れを受け継ぎ、成人向け雑誌と一般書の出版を行うことから始まりました。

概要

東京三世社は、主に成人向け雑誌の刊行を手掛け、辰巳出版や新樹書房と並ぶ老舗として知られていました。これらの雑誌は日本の成人向け文化の発展に貢献し、同社の出身者が設立した他の出版社にも影響を与えています。特に、サン出版や司書房、三和出版などがその代表例です。また、1964年に青少年保護育成条例が施行されて以降、各都道府県によっても多くの出版物が有害図書に指定されました。

成人向けコミックのジャンルにおいては、「DO COMICS」と「LE・COMICS」という2つのレーベルを展開しました。さらに、ビデオやゲームのネット配信事業にも取り組み、幅広いメディアでコンテンツを提供していました。次第に、同社は多様な出版物を手がけるようになり、一般書籍や特定の分野に特化したムック本なども制作するようになりました。

沿革

東京三世社は、書店の一三堂において成功を収めた石坂幸男によって設立され、1952年に『読切倶楽部』を初刊しました。この雑誌の編集者には、著名な作家の吉行淳之介が在籍しており、彼の知人である俳優の中村メイ子も参加していました。その後、会社は三世新社を経て1968年9月に東京三世社として新たに設立されました。

1970年代には『SMセレクト』の創刊により、SM雑誌の人気が爆発する中でアダルト雑誌を数多く発行。ポルノブームの影響を受けた東京三世社は、成長を続け、数々のヒット作を持つことになります。また、1978年にはSF漫画雑誌『少年少女SFマンガ競作大全集』を外部プロダクションに依頼し、以降も様々な版を憶えて発行しました。

2000年代に入ると、アダルト系の雑誌やムックが中心となり、パズルや自動車、パソコン関係のタイトルも扱うようになりました。特に、2005年には売上高がピークを迎えましたが、2006年からは赤字に転落しました。2007年には社長が交代し、経営の見直しが進められましたが、4年連続の赤字により、2010年9月末には営業を停止し、会社清算に至りました。

書籍と雑誌

東京三世社が発行した書籍には、例えば『多湖輝の頭のショック療法』や『アロマ健康マッサージ』などがあります。また、魅力的な雑誌として『読切倶楽部』や『実話雑誌』などがあり、特に『SMセレクト』は長期間にわたり人気を博しました。その他にも、週刊モダン日本や漫画ビッグエロブンなど、多数の雑誌を発行しました。最後に、直営店「DO! BOOKS」は秋葉原にオープンし、男性向け美少女コミックなどを販売しましたが、2007年には閉店しました。

結論

株式会社東京三世社は、日本における成人向け文化の重要な拠点として、数々の出版物を世に送り出し、多くのファンを獲得してきました。その長い歴史の中で、業界の変遷を見守りながら、さまざまな挑戦を繰り返してきたことが印象的です。今後の出版界には、東京三世社の遺した影響が色濃く残ることでしょう。

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