東京基督神学校

東京基督神学校

概要

東京基督神学校（とうきょうきりすとしんがっこう、英語名称: Tokyo Christian Theological Seminary）は、かつて千葉県印西市に所在した、福音派に属する超教派の神学校です。学校法人東京キリスト教学園の一部として運営され、東京基督教大学や共立基督教研究所と共に日本の福音主義神学教育の一角を担っていました。この学校は、主に大学を卒業した方を対象とした専修学校の神学専門課程（3年制）であり、教会の指導者となる牧師などの教職者を養成することを主要な目的としていました。

沿革

本校の歴史は、1949年10月16日に東京都杉並区堀ノ内の長谷川真太郎氏宅にて開校したことに始まります。設立にはJPM（Japan Presbyterian Mission）の宣教師たちが協力し、初代校長には横浜海岸教会の牧師であった渡辺連平氏が、学監には長谷川真太郎氏が就任しました。翌1950年には、高等学校卒業者を対象とした予科が開設されました。しかし、開校からわずか2年後の1951年5月には、運営方針の相違から長谷川真太郎氏ら一部の教員と学生が離脱し、独自の組織として東京神学塾を設立したため、学校は一時的に閉校を余儀なくされました。同年中にはJPMのJ.M.L.ヤング宣教師らによって学校が再建され、名称を日本基督神学校と改め、組織も再編されました。1954年4月には、大学卒業者を対象とするカレッジ科が新たに設けられました。

学校はその後、所在地を複数回変更しました。1968年には東京都東久留米市へ移転し、1980年には東京都国立市へ移転しました。この間、1979年には学校法人東京キリスト教学園が設立され、その傘下に東京キリスト教短期大学、日本基督神学校、共立キリスト教研究所（翌年に共立基督教研究所へ改称）が設置されることとなりました。1981年4月には、学校の名称が再び東京基督神学校に戻されました。1986年4月には下川友也氏が校長に就任。1990年には、最終的な所在地となる千葉県印旛郡印西町（現在の千葉県印西市）へ移転しました。2000年には、教会音楽奉仕者の育成を目指す音楽科が設置されました。2004年には山口陽一氏が校長に就任しています。

2010年、学校法人内の組織再編により、東京基督神学校は学生の募集を停止しました。そして、2012年3月に最後の卒業生を送り出し、60年以上の歴史に幕を下ろしました。

教育の特徴と信仰の立場

東京基督神学校は、福音主義の信仰に堅く立ち、特に宗教改革の理念とウェストミンスター信仰告白を重視する神学的基盤を持っていました。教育においては、聖書の権威を尊重しつつ、学問的な深さと信仰的な実践力を兼ね備えた教会教職者の育成を目指しました。

閉校後の機能継承

閉校に伴い、東京基督神学校が担っていた教育機能は、東京基督教大学へ引き継がれました。教会教職者養成の機能は、2012年4月に開設された東京基督教大学大学院神学研究科へ継承されています。また、教会音楽奉仕者の養成機能は、2011年4月に開設されていた東京基督教大学教会音楽専攻科へと引き継がれました。このように、学校の教育理念と実践は、東京基督教大学の中に形を変えて引き継がれています。

主な元教師

下川友也（校長）
田辺滋（ギリシャ語）
小畑進
山口陽一（校長、日本キリスト教史）
宇田進（組織神学）
木内伸嘉（ヘブル語、旧約学）
柴田敏彦（組織神学）
油井義昭（旧約学）
小林高徳（新約学）

著名な出身者

小畑進（元東京基督神学校教授）
田辺滋（元東京基督神学校教授、新改訳聖書旧約研究員）
鈴木昌（東京聖書教会牧師）
宇田進（日本長老教会教師、神学者、東京基督教大学名誉教授）
堀越暢治（いのちありがとうの会理事長、創愛キリスト教会牧師）
下川友也（元東京基督神学校校長）
木内伸嘉（東京基督教大学第2代学長）
倉沢正則（東京基督教大学第4代学長）
櫻井圀郎（東京基督教大学教授）
大和昌平（東京基督教大学准教授、元東京基督神学校教師）
伊藤明生（東京基督教大学教授）
山口陽一（元東京基督神学校校長）
小林高徳（元東京基督神学校教授）
丸山忠孝（東京基督教大学初代学長、聴講生として一時在籍）

関連項目

東京基督教大学
聖書宣教会
日本長老教会
* 共立女子聖書学院

もう一度検索