東京都交通局40形電車

東京都交通局40形電車

東京都交通局40形電車は、上野動物園内を結ぶ上野懸垂線で運行されていた懸垂式モノレール車両です。老朽化した30形電車の後継として、日本宝くじ協会の助成金を受けて製造されたことから、「宝くじ号」の愛称で親しまれました。

車両概要

2001年に日本車輌製造で2両編成1本が製造され、同年5月31日から営業運転を開始しました。車体はアルミニウム合金製で、前面は非貫通型、9m級1扉の流線形デザインが特徴です。前面窓は1枚窓で、「宝くじ号」のステッカーが貼られています。青色の回転灯、前照灯、標識灯、東京都のシンボルマーク、国旗立てなどが装備され、側扉にはプラグドアが採用されています。車体は白を基調とし、前面窓に沿って赤、側扉の運転台側が黄色、車体上部のカバーが緑色で塗装され、動物のイラストのラッピングが施されています。底部には丸型の電飾が設置され、東園、西園の方向が表示されています。

車内は、FRP製の外向きロングシートとクロスシートを組み合わせたセミクロスシートが設置され、ピンク、ライトブルー、ライトグリーン、イエローで塗装されています。運転席にはカラー液晶ディスプレイが採用され、表示システムにはMicrosoft Windows XPが用いられていました。

制御方式はIGBT素子によるVVVFインバータ制御で、主電動機は東洋電機製造製のTDK6470-A（7.5kW）を2基搭載。駆動装置は歯付きベルト組み込み平行多段駆動方式、台車は特殊なボギー台車を採用しています。集電装置は2線式剛体架線用のパンタグラフ、冷房装置はインバータ式です。これらの主要機器類は車体上部に搭載され、カバーで覆われています。非常時には、ツルベ式緩降機2組が利用可能です。また、JR東日本の特急電車（E257系など）と同じミュージックホーンを搭載していました。

運用

2001年5月31日、上野懸垂線の設備更新完了と共に営業運転を開始しました。2001年11月にはパンタグラフ破損により一時運転を休止しましたが、改良後2002年3月に運転を再開しました。2007年には、上野懸垂線開業50周年を記念した特製ヘッドマークが取り付けられました。

2019年1月23日、車両と設備の老朽化を理由に、同年11月1日から上野懸垂線が休止されることが発表されました。40形電車はそのまま引退となり、引退記念装飾が施されました。休止前日の10月31日には「40形車両ラストランイベント」が開催され、最終列車をもって営業運転を終了しました。

2023年12月27日、上野懸垂線の廃止に伴い、40形電車も廃車となりました。

参考文献

『鉄道ファン』2001年8月号（41巻8号）通号484号、139-143頁、交友社。

関連項目

宝くじ号

外部リンク

上野動物園モノレール ｜ 東京都交通局
恩賜上野動物園モノレール40形懸垂電車完成（日車トピックス）

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