東京高速鉄道100形電車

東京高速[[鉄道]]100形電車

東京高速[[鉄道]]100形電車は、現在の東京メトロ銀座線の渋谷～新橋間を建設・運営した東京高速[[鉄道]]が、1938年の開業に先立つ1937年から製造した電車です。川崎車輛で30両（101 - 130号）が製造され、1両あたりの製造費用は約4万5,000円でした。

概要

全鋼製車体で、先行する東京地下鉄道の電車（後の1000形）に倣った構造を持ちます。特徴的な丸みを帯びた車体と電装品は、親会社であった当時の東京横浜電鉄（後の東急電鉄）の車両と共通する点が見られました。内装は東京地下鉄道の車両に比べて簡素で、室内灯は一般的な白熱灯、つり革も普通のものを使用していました。床は木張りでしたが、戦後にリノリウム張りに変更されています。

主制御器と主電動機は日立製作所製で、主電動機は1基あたり75kWと出力は低いものの、4基搭載することで東京地下鉄道の電車（90kW×2）よりも強力な性能を発揮しました。そのため、100形で組成された列車は加速・高速性能に優れており、乗り入れの際には、東京地下鉄道の車両を追いかける場面が見られたと言われています。

当時としては珍しい発電ブレーキを装備していましたが、営団発足後の1959年に他形式との混結対応改造を実施した際、使用を中止しました。台車は住友金属工業製です。また、電動発電機を搭載しており、銀座線の名物であったデッドセクション通過時の瞬間停電は、この形式では発生しませんでした。

戦時中の帝都高速度交通営団発足後も、形式変更されることなく使用され、塗装色は旧・東京地下鉄道の銀座線車両に合わせて黄色に変更されました。

荻窪線への一部移籍

1962年には、荻窪線（現在の丸ノ内線新宿 - 荻窪・中野坂上 - 方南町）の中野坂上 - 中野富士見町間の開業に際し、銀座線から100形10両（101 - 110）が転属しました。丸ノ内線の規格は銀座線よりも大きく、ドアとホームの間に隙間が開くため、移籍車はドアにステップを設置して対応しました。塗装色は丸ノ内線と同様に赤に白帯に変更されましたが、装飾の「サインウェーブ」はありませんでした。

営業運転終了後の処遇

1968年に両線での営業運転を終了し、多くの車両が解体される中、118号と129号は中野工場構内の入換車として使用されました。1981年11月26日付で除籍された後、118号は解体されましたが、129号は1986年に車体の一部をカットし、登場時の姿に復元した上で地下鉄博物館の展示物となりました。教材として活用されており、マスコンハンドルやブレーキ弁を操作すると、台車のモーター、車輪、ブレーキが動作する仕組みとなっています。

車両搬入

東京高速[[鉄道]]所属であったため、唯一の地上部である渋谷駅付近から搬入されました。道玄坂の玉川電気鉄道渋谷駅構内から引き込み線を仮設して渋谷電車庫に搬入したほか、宮益坂のトンネル開口部付近から高架線に搬入されました。

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