東別府駅

東別府駅：歴史と自然に抱かれた駅舎

東別府駅は、大分県別府市浜脇地区に位置するJR九州日豊本線の駅です。1911年（明治44年）11月1日、豊州線浜脇駅として開業しました。その後、1934年（昭和9年）4月15日に東別府駅と改称され、長い歴史を刻んできました。

開業以来、東別府駅は地域住民の生活の足として、また観光客の玄関口として重要な役割を担ってきました。1945年（昭和20年）に貨物取扱いを廃止、1984年（昭和59年）には荷物扱いも廃止されましたが、乗客輸送は継続され、1966年（昭和41年）には日豊本線亀川駅～東別府駅間、そして東別府駅～仏崎信号場間の複線化が完了し、輸送力の向上に繋がりました。

国鉄分割民営化後の1987年（昭和62年）4月1日からは九州旅客鉄道（JR九州）の駅として運営されています。2003年（平成15年）2月5日には、歴史ある木造駅舎が別府市の有形文化財に指定され、翌2004年（平成16年）4月3日には修復記念式典が行われました。その後、2012年（平成24年）1[[2月1日]]にはICカードSUGOCAの利用が可能となりました。

近年では、2022年（令和4年）3月11日に切符売り場の営業を終了、翌12日には無人駅となりました。しかし、地域住民の利便性を確保するため、同年5月9日からは別府市がJR九州の退職者団体「別府鉄道OB友の会」に駅業務を委託する簡易委託駅として運営されています。

駅舎と設備

東別府駅は、相対式ホーム2面2線の地上駅です。ホーム間は跨線橋で連絡しており、バリアフリー化への配慮もなされています。駅舎は、開業当時の1911年（明治44年）に建てられた木造建築で、別府市の有形文化財に指定されている歴史的建造物です。老朽化による改築の検討も行われましたが、保存を望む声が多数あり、大切に修復されて現在に至っています。

駅舎内には近距離きっぷの自動券売機が設置されており、ICカードSUGOCAは、出入場とチャージのみ利用可能です。無人化後も、自動券売機とICカードによる利便性の確保に努められています。

利用状況と周辺環境

東別府駅の利用状況は、年々変化しています。1965年（昭和40年）度の乗車人員は195,926人、降車人員は188,177人でした。貨物、荷物も取り扱われていましたが、時代とともに利用形態も変化し、2016年（平成28年）度の乗車人員は83,591人、降車人員は102,267人となっています。

駅周辺は、国道10号が通り、バス路線も充実しています。大分交通のバスを利用して高崎山、マリンパレス水族館うみたまご、大分駅、関の江、鉄輪温泉、国東方面などへアクセスできます。また、徒歩圏内には浜脇温泉、浜脇モール商店街、浜脇記念病院、別府浜脇郵便局、別府市立浜脇中学校、別府市立南小学校などの施設があります。ショッピングセンターのゆめタウン別府も徒歩圏内ですが、別府駅の方がより近いです。

高崎山自然動物園やマリンパレス水族館うみたまごへは、バスで約5分、徒歩で約15分とアクセス良好です。かつては、大分交通別大線が東別府駅前停留所を有していましたが、1972年（昭和47年）4月5日に全線廃止されました。

線路構造と隣の駅

東別府駅と西大分駅の間は、上り線と下り線の線形が大きく異なります。下り線は単線時代の曲線が多い線形を残している一方、上り線は高崎山トンネルや白木トンネルなど、複線化に伴い直線主体となっています。このため、ダイヤ上、普通電車はもちろん、特急「ソニック」も上り列車の方が下り列車より約2分速いという特徴があります。

東別府駅の隣の駅は、下り方面が別府駅、上り方面が西大分駅です。

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