東北ドック鉄工

東北ドック鉄工株式会社の概要

東北ドック鉄工株式会社は、宮城県塩竃市に位置し、船舶修理と鉄構製作を主な業務とする企業です。この会社は1987年に設立され、設立の背景にはそれ以前の東北造船株式会社の事業部門の廃業があり、その運営を引き継いでいます。特に、同社は大型漁船や官公庁船に対する定期検査・修繕業務を中心に展開しており、さらに橋梁や水門、各種産業機械の製造・据付も手掛けています。

歴史的背景

東北ドック鉄工の歴史は1910年に遡ります。この年、三陸汽船が塩釜港に修理工場を開設しました。その後、さまざまな経営移行を経ながら設備の拡張が進み、1957年には東北開発と浦賀船渠の出資によって東北造船株式会社が設立され、この会社が造船所の経営を行うようになりました。1968年には東北造船が日本鋼管系列に組織が変更されるなど、この業界におけるグループの変遷が見られます。

1980年代に入ると、東北造船はハンディサイズバルカーの建造を主力としていましたが、海運不況と急激な円高の影響で業績が悪化しました。この結果、1987年に東北造船は廃業することとなります。しかし、収益性の高い船舶修理事業を継続するため、東北ドック鉄工株式会社が設立されました。

訴訟問題

新会社設立に際して、東北造船からの元従業員が、同社との一体性を主張し、解雇は無効であるとの訴えを起こしましたが、仙台地方裁判所はそれを認めず、二社は別個の法人であると判断しました。これにより、東北ドック鉄工は新たなスタートを切ることとなります。

企業の現状

設立当初、東北ドック鉄工には日本鋼管の出資比率が約20%あり、グループ企業を含めれば40%に達しました。2018年には、JFEエンジニアリングの完全子会社となり、これによってさらなる発展が期待されている状況です。

主要設備

東北ドック鉄工には、船舶修理を行うための多様な設備が整っています:

• - 1号ドック: 長さ139m、幅17m、深さ10m（収容能力8,000DWT）
• - 2号ドック: 長さ53m、幅9.6m、深さ6m（収容能力500GT）
• - 3号船台: 長さ72m、幅22m（収容能力1,000GT）
• - クレーン: 60t・6t（2基）、5t・10t
• - 係留岸壁: 総延長275m、最大喫水5.5m
• - 鉄構第1工場と第2工場、仮組ヤードなどがあります。

沿革

• - 1910年: 三陸汽船の修理工場が開設
• - 1938年: 東北船渠鉄工株式会社設立
• - 1957年: 東北造船株式会社設立
• - 1987年: 東北ドック鉄工株式会社設立
• - 2018年: JFEエンジニアリングの完全子会社に

このように、東北ドック鉄工株式会社は長い歴史を有し、今後も船舶修理業界で重要な役割を担っていくことが期待されています。

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