東大寺盧舎那仏像

東大寺盧舎那仏像の概要

東大寺盧舎那仏像（とうだいじるしゃなぶつぞう）は、奈良県奈良市にある東大寺の大仏殿に安置されている仏像です。一般には「東大寺大仏」や「奈良の大仏」として広く知られています。この像は聖武天皇の命により、天平17年（745年）に造像が始まり、752年に開眼供養会が執り行われました。

大仏像は時代の変遷とともに火災などによって複数回損傷し、現在見られる部分のほとんどは再建されたものです。最初に制作された部分は限られており、国宝にも指定されています。像の高さは約14.7メートル、基壇の周囲は70メートルです。

大仏造立の背景

聖武天皇は741年に国分寺・国分尼寺建立の詔を発し、743年には近江国紫香楽宮にて大仏造立の詔を出しました。当初、大仏は紫香楽宮付近の甲賀寺に造られる予定だったものの、周囲の山火事による不安から計画は頓挫し、平城京に戻った際に現在の地での造立が開始されました。

大仏に関する造像の主な技術者には、国中連公麻呂や高市大国、そして鋳師の高市真麻呂などが名を馳せています。752年の開眼供養会には、聖武太上天皇や光明皇太后、孝謙天皇など多くの貴族たちが列席し、参加者は約1万数千人に上りました。

鋳造手法

盧舎那仏の造立は、特有の鋳造技法を用い、特に大仏の形を繰り返し外型と中型を組み合わせて作る方法が採用されました。この過程には、多数の木材や土を使用して型を作り、その上から銅を流し込む作業が含まれます。鋳造は三年にわたって分けて行われ、重要な技術者たちの協力が求められました。

開眼供養会

752年の開眼供養会では、聖武太上天皇が体調不良のため欠席し、開眼の儀式は菩提僊那僧正によって行われました。大仏殿の庭には飾り付けがされ、様々な法要が催され、仏教の教えが日本に根付く重要なイベントとなりました。

歴史を経て

東大寺大仏は、1180年と1567年に火災で焼失しましたが、その都度再建されました。特に、重源という僧侶が宋から来た鋳工と共に再建に尽力し、1185年に再開眼法要が行われました。また、戦国時代には松永・三好の兵火によって再度焼失しましたが、1685年から1730年にかけて再興が行われ、現在の大仏と大仏殿が完成しました。

大仏の構造

現存の大仏は、大部分が鎌倉時代のものであり、台座や一部には奈良時代の部分が残っています。蓮華座には華厳経の思想が詰まった線刻画が施され、仏教の世界観を表現しています。大仏は「銅造盧舎那仏坐像」として国宝に認定されています。

結論

東大寺盧舎那仏は、歴史的な背景と技術の結晶として、日本の文化や宗教に深く根付いています。大仏の存在は、奈良時代から続く仏教の影響を色濃く反映しており、今後もその価値は変わることなく、多くの人々に崇敬され続けることでしょう。

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