東安省

東安省について

東安省（とうあん-しょう）は、満洲国の行政区分の一つであり、現代の黒竜江省東部にあたる地域に位置していました。満洲国は1930年代から1940年代にかけて成立した国家で、東安省もその一部として設立されました。

成立の背景

1939年6月1日、満洲国政府は北地方の防衛力を強化するため、三江省の饒河県、宝清県、そして牡丹江省の密山県、虎林県を基に新たに東安省が設けられました。この省設立に伴い、密山、穆棱、勃利の一部から林口県も設置され、5つの県がこの省のもとに統括されることとなりました。

歴史的な変遷

1941年1月には、勃利県が他から移管され、同年9月には密山県の西部に鶏寧県が新設されました。1942年1月には、東安省の中心地である東安街に市制が施行され、東安市が誕生しました。これにより、東安省は1つの市と6つの県を管轄する行政区画となりました。

しかし、東安省は長くその地位を保つことはできませんでした。1943年10月1日、東安省は間島省や牡丹江省と共に統合され、東満総省に改編されることで廃止されてしまったのです。このように、東安省は短い歴史の中で次々と変化し、最終的には満洲国の行政体制の中で消滅を迎えることとなりました。

歴代の省長

東安省の歴代省長については次の通りです。特に記載のない場合、出典は『世界諸国の制度・組織・人事 : 1840-2000』によります。

• - 御影池辰雄：1939年6月1日 - 1940年11月30日
• - 岐部与平：1940年11月30日 - 1942年1月15日
• - 畑勇三郎：1942年1月15日 - 1945年1月31日
• - （兼）三谷清：1945年1月31日 - 1945年6月1日（その後、東満総省に編入）

参考として

東安省は、その歴史が短かったにもかかわらず、当時の満洲国の地理的及び政治的な変遷を知る上での重要な一部を成しています。省としての機能を終えた後も、この地域の歴史は後の行政区分や地域社会に影響を与え続けました。満洲国の行政区分は複雑であり、その歴史を理解するためには東安省の存在を知ることも重要です。

これらの情報は、満洲国に関する研究や、歴史的背景を探るための参考文献として役立てられることでしょう。

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