南山手

南山手の概要

長崎県長崎市に位置する南山手は、歴史的な背景と美しい景観が魅力的な地域です。この地域は、1858年（安政5年）に締結された安政五カ国条約によって長崎港が開港された後、外国人の居留地として発展しました。異国情緒あふれる街並みは、現在も多くの観光客を魅了しています。

南山手は、長崎市南山手伝統的建造物群保存地区として、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、また長崎市の東山手・南山手地区景観形成重点地区・南山手ゾーンにも指定されています。この地区は、かつて外国人が暮らした住宅地として整備され、その名残として、幕末から明治時代にかけて建てられた洋風建築が数多く残っています。

地区の北側には、大浦天主堂や旧羅典神学校といった宗教施設が、南側にはグラバー園や旧グラバー住宅をはじめとする洋館群が点在しています。これらの建造物は、歴史的な価値が高く、南山手の景観を特徴づける重要な要素となっています。

南山手の歴史

1859年、長崎港が開港されると、南山手は外国人居留地として急速に発展しました。当初は外国人向けの住宅地として整備されましたが、その後、商業施設や宗教施設も建設され、多様な文化が混ざり合う場所となりました。特に、西洋の文化と日本の文化が融合した独特の景観は、この地域ならではの魅力と言えるでしょう。

1991年（平成3年）には、その歴史的価値が認められ、重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。この選定により、南山手の歴史的な街並みは保護され、現在もその美しい姿を保ち続けています。

主な施設・建造物

南山手には、数多くの歴史的な建造物や名所があります。以下にその一部を紹介します。

大浦天主堂：国宝であり、世界遺産にも登録されている、日本最古の現存するキリスト教建築です。ゴシック様式の美しい外観は、多くの人々を魅了します。
旧羅典神学校：国の重要文化財に指定されている、歴史的な神学校の建物です。
旧グラバー住宅：国の重要文化財であり、世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つです。幕末の長崎で活躍したイギリス人商人、トーマス・ブレーク・グラバーの邸宅です。
旧リンガー住宅：国の重要文化財に指定されている、イギリス人商人フレデリック・リンガーの邸宅です。
旧オルト住宅：国の重要文化財に指定されている、ドイツ人貿易商オルトの邸宅です。
旧香港上海銀行長崎支店記念館：国の重要文化財に指定されている、旧香港上海銀行の支店だった建物です。現在は博物館として利用されています。
旧長崎税関下り松派出所：国の重要文化財に指定されている、旧長崎税関の派出所です。
グラバー園：複数の洋館を移築・復元したテーマパークです。園内からは、長崎の美しい港の景色を一望できます。
南山手レストハウス：観光客向けの休憩施設です。
祈りの丘絵本美術館：絵本をテーマにした美術館です。
マリア園：マリア像が安置されている場所です。
宝製鋼：鋼材を扱う会社です。
杠葉病院本館・別館：歴史のある病院の建物です。
ドンドン坂：南山手を代表する坂道の一つで、石畳が美しい坂道です。

南山手へのアクセス

南山手へは、長崎駅から路面電車またはバスを利用してアクセスできます。観光スポットが集中しているため、徒歩での散策もおすすめです。異国情緒あふれる美しい街並みをゆっくりと楽しむことができるでしょう。

南山手は、長崎の歴史と文化を体感できる魅力的な場所です。訪れる人々を魅了する、その独特な雰囲気をぜひ楽しんでみてください。

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