東本願寺 (台東区)

浄土真宗東本願寺派本山 東本願寺

東本願寺は、東京都台東区西浅草に位置する浄土真宗東本願寺派の本山であり、阿弥陀如来を本尊としています。正式名称は「浄土真宗東本願寺派本山東本願寺」といい、単立の宗教法人です。2025年現在、第26世法主である大谷光見（聞如）が住職を務めています。境内は4,250坪の広さを誇ります。

歴史

開創

東本願寺の始まりは、1651年（慶安4年）に東本願寺第12世教如が神田に江戸御坊光瑞寺を建立したことに遡ります。その後、京都の東本願寺の掛所（別院）となりました。

浅草移転

1657年（明暦3年）の明暦の大火により焼失した後、浅草に移転しました。この頃から「浅草本願寺」・「浅草門跡」と呼ばれるようになり、21の支院と35の塔頭を抱え、境内は1万5000坪に及ぶ広大なものでした。江戸後期の天保年間には、浮世絵師・葛飾北斎の連作『富嶽三十六景』に「東都浅艸本願寺」として描かれています。

明治以降

1868年（明治元年）には、渋沢成一郎や天野八郎らの旧幕臣らによって、徳川慶喜を擁護する「彰義隊」が結成され、その拠点となりました。1875年（明治8年）には、明治天皇の臨幸のもと、日本で最初の「地方官会議（知事会議）」の議場として使用されました。

日清戦争（1894年）と第一次世界大戦（1914年）の際には、それぞれ清国とドイツの捕虜収容所として使用されました。関東大震災（1923年）で本堂を焼失した後、1939年（昭和14年）に鉄骨鉄筋コンクリート造の本堂が再建されましたが、1945年（昭和20年）の空襲で再び内部を焼失しました。1953年（昭和28年）に修復され、現在に至ります。

真宗大谷派からの独立

1965年（昭和40年）に「浅草本願寺」から「東京本願寺」へと改称し、1981年（昭和56年）に真宗大谷派から独立しました。1988年（昭和63年）には「浄土真宗東本願寺派」が結成され、東京本願寺が本山となりました。2001年（平成13年）に現在の名称「浄土真宗東本願寺派本山東本願寺」が認証されています。

伽藍

本堂
紫雪亭
慈光殿
大遠忌記念館

文化財

東京都指定有形文化財（彫刻）: 木造阿彌陀如来立像（鎌倉期）
台東区指定有形文化財（絵画）:
絹本着色親鸞上人絵伝（室町末期）
絹本着色親鸞上人絵伝（江戸期慶長年間）
台東区指定有形文化財（工芸品）: 銅鐘（江戸初期）
その他: 紫雲亭襖絵（棟方志功作）（昭和36年）

主な年中行事

修正会（1月1日～3日）
春季彼岸会（3月18日～24日）
永代経会（5月25日～28日）
法統慶讃会（6月1日）
盂蘭盆会（7月13日～16日）
秋季彼岸会（9月20日～26日）
御正忌報恩講（11月23日～28日）
除夜の鐘（12月31日）

教育・研究

東本願寺学院
国際仏教研究所
徳風幼稚園
学校法人東京大谷学園
東京大谷幼稚園

別院・墓所

東本願寺本廟 牛久浄苑
ひばりが丘別院 ひばりが丘浄苑
八王子の杜公園墓地
東本願寺ニューヨーク

アクセス

東京メトロ銀座線 田原町駅 3番出口より徒歩約5分
つくばエクスプレス 浅草駅 A2出口より徒歩約7分
東京都交通局都営浅草線 浅草駅 1番出口より徒歩約10分

東本願寺は、その長い歴史の中で様々な変遷を経てきましたが、現在も多くの人々の信仰を集める場所として、その存在感を示しています。

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