東横堀川

東横堀川の概要

東横堀川（ひがしよこぼりがわ）は、大阪府大阪市を流れる運河であり、豊かな歴史と文化を持つ重要な水路です。全長約3kmのこの川は、土佐堀川の上流部から南へ分かれ、中央区の船場や島之内の東側を流れています。途中で西へ向きを変えると、その下流部は道頓堀川となります。

この川は、阪神高速1号環状線が南行きの経路として利用されており、高架橋が川の上に架かっています。そのため、地図によっては東横堀川の名称が省略されてしまい、川の存在が薄れることもあります。しかし、この運河は大阪の都市景観の一部として重要な役割を果たしています。

水質の改善と防災対策

かつては、川底にヘドロが堆積し、ガスが発生するほどに水質は悪化していましたが、住民や自治体の協力によって改善が進んでいます。2000年には、東横堀川水門と道頓堀川水門が設置され、高潮や河川の水位管理が行えるようになり、親水性のある水辺空間の再生が進められています。

歴史的背景

東横堀川は、1585年に豊臣秀吉の指示により、大坂城の防御のための堀として開削された日本最古の堀川として知られています。そこで開削された時期については、1594年の記録があることから議論があります。1615年には、大坂冬の陣の際に埋め立てられましたが、その後の大坂夏の陣で大坂城が落城した後に再び掘り返されました。

その後、近隣には道頓堀川や長堀川が開削され、都市の発展に寄与していきました。特に東横堀川は、周囲の発展に影響を与え続けています。

本町の曲がり

本町橋と農人橋の間では、川がS字型に曲がっており、これは開削時に存在した浄国寺を避けたことに起因しています。この部分は水流が急であったため、水難事故が発生することが多く、付近の住民たちが水難を避けるための曲り淵地蔵尊を祀ることになりました。現在でも、その名残として小さな祠が残っています。また、「本町の曲がり」は上方落語「饅頭こわい」にも登場し、地域文化の一部として評価されています。

東横堀川に架かる橋

この川には、複数の橋が架かっており、まず上流側から見られる主要な橋は以下の通りです：

• - 葭屋橋
• - 今橋
• - 高麗橋
• - 平野橋
• - 大手橋
• - 本町橋
• - 農人橋
• - 久宝寺橋
• - 安堂寺橋
• - 末吉橋
• - 九之助橋
• - 東堀橋
• - 瓦屋橋
• - 上大和橋

それぞれの橋が地域の交通や景観に寄与し、川の魅力をさらに高めています。

まとめ

東横堀川は大阪市の歴史と発展を物語る重要な水路であり、今もなお地域住民に親しまれています。水質改善や防災対策が進む中で、この川を中心にした新しい取り組みも高まっており、より多くの人々がその魅力を享受できるようになっています。

もう一度検索