東海大学航空宇宙科学博物館

東海大学航空宇宙科学博物館

東海大学航空宇宙科学博物館（Aerospace Science Museum Tokai University、略称：ASM）は、静岡県清水市に存在した日本初の本格的な航空博物館です。この博物館は、1974年8月3日に開館し、1984年7月31日に閉館しました。開館当初から、この博物館は航空宇宙に関する知識の普及や啓蒙を目的としており、当時の東海大学社会教育センターによる社会教育活動の一環として位置付けられていました。

歴史的背景

博物館の設立の背景には、1943年に航空科学専門学校が開校されたことがあり、これが後の東海大学に繋がっています。1980年代初頭、日本における航空宇宙分野の重要性が高まる中で、博物館は教育機関としての役割を果たしました。特に、1984年に閉館するまで、博物館は飛行機や宇宙関連の展示を通じて、多くの訪問者に専門的な知識や理解を提供していました。

主な展示機種

博物館には様々な航空機が展示されていました。展示されていた機種には、現在は岐阜かかみがはら航空宇宙博物館で見ることができるUF-XSや、陸上自衛隊向けのL-19AやH-19C、H-13Hがありました。さらに、海上自衛隊用のSNB-5や、一般的な航空機としてのセスナ140、DHC-2も展示されていました。

また、パイロット訓練のための機体、T-33AやパイパーPA-12もあり、それぞれの需要に応じた展示が行われていました。さらに、宇宙関連の展示として、スプートニク1号やラムダロケット3Hがあり、宇宙開発の歴史にも触れることができました。

教育的役割

東海大学航空宇宙科学博物館は、ただの展示スペースではなく、教育的な役割を果たしました。1967年4月に航空宇宙学科が工学部に設置されたことを受けて、2006年には航空操縦学専攻が新設されました。これにより、日本の大学として初のパイロット養成コースが開設され、多くの若者に航空業界への道を提供しました。

関連機関・施設

博物館は、宇宙航空研究開発機構（JAXA）や航空科学博物館などの関連機関とも連携し、航空機や宇宙開発に関する多様な情報を発信していました。さらに、兄弟的な関係を持つ東海大学の他の博物館、例えば海洋科学博物館や自然史博物館などと協力し、幅広い分野での教育を支援していました。

結論

東海大学航空宇宙科学博物館は、航空と宇宙に関する専門的な知識を広める重要な施設でした。多彩な展示や教育プログラムを通じて、多くの人々に影響を与えたこの博物館は、1984年の閉館以降も日本の航空宇宙教育の一部としてその功績を続けています。

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