東海寺 (柏市)

東海寺（布施弁天）

東海寺は、千葉県柏市布施に位置する真言宗豊山派の寺院で、紅龍山（こうりゅうさん）という山号をもちます。本尊として弁才天を祀っており、その美しい姿から「布施弁天」の名で広く親しまれています。この寺は、寛永寺弁天堂（不忍池弁天堂）、江島神社（岩本院）とともに、関東三弁天の一つとして数えられ、多くの信仰を集めてきました。

歴史

東海寺の創建は、807年（大同2年）に弘法大師空海が嵯峨天皇の勅願により創建したと伝えられています。かつて、この地は常陸川（現在の利根川）の流路にあった藺沼に突き出した場所に位置していました。平将門の乱の際には、本尊の弁財天を松の木の上に避難させたことで難を逃れたという逸話から、別名「松光院」とも呼ばれています。

江戸時代には、利根川の水運が発達したことにより、船で参詣する人々で大変賑わいました。最盛期には多くの茶屋が立ち並び、小林一茶もこの地を訪れたとされています。しかし、明治時代に入ると水運が衰退し、鉄道網の発達もこの寺を避けるように敷かれたため、次第に寺運は衰微しました。1970年（昭和45年）には、寺の改築費用を捻出するため、寺の一部を柏市に売却。その跡地は現在、あけぼの山公園として整備されています。

伽藍

東海寺の境内には、以下の伽藍が配置されています。

山門（楼門）: 寺の入り口に立つ荘厳な門。
本堂: 本尊の弁才天が安置されている中心的な建物。
三重塔: 美しい姿が特徴的な塔。
鐘楼: 時を告げる鐘が設置されている建物。
客殿: 参拝者の休憩所や寺の運営に使われる建物。

これらの伽藍は、歴史と信仰の重みを今に伝えています。

文化財

東海寺には、県指定の有形文化財として以下のものが指定されています。

東海寺本堂 附 棟札１枚
楼門
鐘楼 附 棟札１枚

これらの文化財は、寺の歴史と文化を物語る貴重なものです。

アクセス

東海寺へのアクセスは以下の通りです。

電車・バス: JR常磐線、東武野田線柏駅、または常磐線北[[柏駅]]から東武バス「布施弁天」行きに乗車し、終点下車すぐ。ただし、運行本数は1日5本と少ないため注意が必要です。
電車・バス・徒歩: JR常磐線・成田線我孫子駅北口から阪東自動車「あけぼの山公園入口」行きに乗車し、終点下車後、徒歩約10分。

ギャラリー

（写真ギャラリーに関する記述は省略します）

脚注

（脚注に関する記述は省略します）

参考文献

茨城地方史研究会 編『茨城の史跡は語る』瀬谷義彦・佐久間好雄 監修、茨城新聞社、平成元年12月30日
流山市立博物館友の会 編『楽しい東葛寺社事典（東葛流山研究第34号）』崙書房、2016年

外部リンク

* 紅龍山 布施弁天東海寺 公式ホームページ

東海寺は、その歴史と美しい伽藍を通して、訪れる人々に癒しと安らぎを与えてくれる場所です。

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