東祐里子

東祐里子：昭和を彩った女優の軌跡

東祐里子（あずま ゆりこ、1952年11月24日 - ）は、日本の女優です。1970年代に成人映画を中心に活躍し、その独特の存在感で多くの観客を魅了しました。本名については公表されていませんが、東裕里子の表記も確認されています。

デビューと成人映画界での活躍

1970年、17歳で映画界に足を踏み入れた東は、大蔵映画の『覗かれた痴女乱行』でデビュー。その後、数多くの成人映画に出演し、そのキャリアを築きました。大蔵映画の作品だけでなく、日活ロマンポルノにも進出し、その人気を不動のものとしました。初期の主演作としては、山本晋也監督（門前忍名義）の『指と舌』が挙げられます。また、プリマ企画が製作した『変態指圧師 色欲の狂宴』では、主演としてその才能を発揮しました。

東は、珠瑠美、城新子、安田清美といった同世代の女優たちと共に、成人映画界を牽引しました。1975年には、東映作品にも進出し、『怪猫トルコ風呂』や『ウルフガイ 燃えろ狼男』に出演。また、『東京ディープスロート夫人』では成人映画にも出演し、その幅広い活躍を見せました。さらに、大島渚監督の日仏合作『愛のコリーダ』では、「みつわの芸者」役を演じ、国際的にも知られるようになりました。

落ち着いた雰囲気と役柄

映画評論家の小田克也は、東について「落ち着いたムードがあるので、和服姿の人妻役などが多い」と評しています。その言葉通り、東は成人映画でありながらも、どこか上品で落ち着いた雰囲気を醸し出し、観客を魅了しました。

1980年代以降の活動と再評価

1979年末まで精力的に活動していた東ですが、1980年代に入ると出演作品が激減しました。1983年の『四つん這い女子学生』と『痴漢電車良いOL・悪いOL・普通のOL』への出演を最後に、その後の消息は不明となっています。もし存命であれば、2014年には満62歳を迎えていました。

近年、東の出演作品は再評価の動きがあり、アップリンクがプリマ企画の作品をデジタル復刻し、DVDビデオグラム化しています。また、日活も出演作のデジタル映像配信を行っています。2012年には、「ピンク大賞」で、東の出演作である『痴漢満員電車』が上映され、再び注目を集めました。

フィルモグラフィー（一部）

東祐里子は、数多くの作品に出演しており、その一部を以下に紹介します。

1970年:
『覗かれた痴女乱行』
『浮気の四角関係』
1971年:
『指と舌』
『変態指圧師 色欲の狂宴』
1972年:
『セックス・ゲリラ』
『鏡の中の野心』
『セックス相談』
1975年:
『怪猫トルコ風呂』
『ウルフガイ 燃えろ狼男』
『東京ディープスロート夫人』
『痴漢電車』
1976年:
『愛のコリーダ』
『実録 ㊙通勤痴女日記』
1979年:
『にっぽんポルノ風土記 津軽姫祭り』
『セックスドキュメント ぶち込みたい!』
1983年:
『四つん這い女子学生』
『痴漢電車良いOL・悪いOL・普通のOL』

書籍・雑誌掲載

東祐里子に関する記事やグラビアは、当時の雑誌に多数掲載されました。以下はその一部です。

「ポルノ対話《性》の全告白 東裕里子の感じる地帯」
「お色気カラー・ページ ㊙欲情物語 ボディ洗い」
「MEN特選ピンク映画封切館 欲情のバラード 第三の色魔」
「東祐里子の初体験 苦痛に悶えた悪夢の初夜」
「成人映画カラー特別指定席 女エロ事師 情事大百科」
「真夜中のエロチカ十二態」
「ハレンチ質問」
「仲好しレズ」
「ピンク女優おんなの25時」
「ピンク映画裸の'Xマス 性道男一代」
「三大ポルノ女優の告白手記」
「映画より凄かった私のセックス体験」
グラビア
「SEXY GALS」

参考文献

『日本映画俳優全集・女優編』
『同姓異読み人名辞典』
『性メディアの50年 欲望の戦後史ここに御開帳!』

外部リンク

Yuriko Azuma - IMDb
東祐里子 - KINENOTE
東祐里子 - allcinema
東祐里子 - 日本映画データベース
東祐里子、東裕里子 - 東京国立近代美術館フィルムセンター
東祐里子 - 文化庁日本映画情報システム
東祐里子 - 日本映画製作者連盟
* 東祐里子、東裕里子 - 日活映画データベース


東祐里子は、昭和の成人映画界を代表する女優の一人として、その存在は今もなお多くの人々の記憶に残っています。

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