東臨運輸区

東臨運輸区について

東臨運輸区は、東京都品川区八潮と大田区東海に位置する、東京臨海高速[[鉄道]]りんかい線の車両基地です。通称「八潮車両基地」とも呼ばれています。2001年、りんかい線第2期区間の開業に合わせて開設されました。

概要

開設以前は、車両の月検査をJR東日本の京葉電車区に委託していましたが、東臨運輸区の開設により、全般検査と重要部検査を除く全ての検査業務を自社で行えるようになりました。現在では、列車検査、機能保全、指定保全といった各種検査のほか、構内入換業務を、協力会社のJR東日本テクノロジーに委託しています。

基地は、東京貨物ターミナル駅の東側に隣接しており、東西に狭く、南北に1,100mと細長い形状が特徴です。入出区線には、車両洗浄装置（薬液洗浄装置と水洗浄装置）や、パンタグラフすり板自動計測装置、車輪形状計測装置が設置されています。入出区線を直進すると留置線に繋がります。

検修庫は、留置線の反対側に位置しており、折り返すことで洗浄線、列車検査線、月検査線へと入ることができます。月検査線にはピット式移動集塵機、列車検査線には車輪転削盤が備えられています。また、検修庫の奥には車両昇降装置があります。

車両昇降装置

車両昇降装置は、ドイツ製で、臨時検査時に台車や床下機器を取り外す際に使用します。特徴的なのは、電動車ユニットの切り離し作業をせずに、2両同時に昇降できる点です。車体のみ、または台車を含めた状態での昇降に対応しており、使用しない時は床下に格納されるため、検修庫の床面を有効活用できます。

構内の特徴

敷地の制約から、専用の車輪転削線を設けることができなかったため、列車検査線と兼用になっています。有効長の制約から、10両編成の車両を転削する際には、4両と6両に分割して作業を行います。

構内設備

留置線: 3線（10両編成を縦列留置で計6編成留置可能）
洗浄線: 1線（洗浄台があり、手作業での洗浄も可能）
列車検査線・転削線・修繕線: 1線（プールピット構造）
月検査線: 1線（プールピット構造）。10両編成9本（90両）の留置が可能
保線機材線: 1線（保線用モーターカーなどを留置）

配置車両

70-000形：10両編成 × 8編成 = 80両
71-000形：10両編成 × 1編成 = 10両

周辺環境

品川埠頭分岐部信号場から分岐する入出庫線を通じて、車両の出入区が行われています。東京貨物ターミナル駅に隣接しており、京葉貨物線計画の名残から、直通運転も容易に行える構造となっています。また、東海道・山陽新幹線の車両基地（東京修繕車両所）も近くにあります。

東臨運輸区の真横には、みなとが丘ふ頭公園があり、留置線隣の道路を南に進むと環七通りと大田市場の裏手に突き当たります。

参考文献

日本鉄道車両機械技術協会「ROLLINGSTOCK & MACHINERY」2001年5月号国内情報「東京臨海高速[[鉄道]]臨海副都心線二期の部分開業」（鈴木晴美 日本鉄道建設公団 東京支社設備部）
* 安全報告書2009（東京臨海高速[[鉄道]]株式会社） (PDF)

もう一度検索