東部州 (ナイジェリア)

東部州の歴史とその変遷

東部州（Eastern Region）は、ナイジェリアの南東部に位置していた州で、21世紀には9つの州に分かれています。この地域の歴史と政治的背景を深く掘り下げてみましょう。

政治的背景と設立

東部州は、イギリスの植民地時代に南部ナイジェリア保護領の東部に設置されたことがその始まりです。1960年にナイジェリアが独立し、翌1967年までの間、北部州や西部州とともに、権限の強い州として機能していました。この地域の主要な民族はイボ人で、州都はエヌグ（Enugu）にありました。

分割の過程

1963年には、既存の西部州から中西部州が分割され、その動きは東部州に影響を与えました。1967年には、ナイジェリアの行政区画が12州体制に移行することが決定され、これに伴い東部州は東部中央州、南東部州、リバーズ州の3つに分けられることが発表されました。

ビアフラ戦争の勃発

この分割に強く反発したのが、当時の東部州首相であり軍政の知事でもあったチュクエメカ・オドゥメグ・オジュクでした。当時、彼は予算配分に不満を抱いており、これを背景にビアフラ共和国の独立を宣言しました。この動きに対し、ナイジェリアの中央政府は反発し、1967年にビアフラ戦争が始まりました。この戦争は約3年間続き、1970年には終結を迎えました。

東部州のその後

1976年、東部中央州はアナンブラ州とイモ州に分割され、南東部州はその後クロスリバー州へと名称を変えました。さらに、1991年にはアナンブラ州からエヌグ州が、イモ州からアビア州がそれぞれ分割されることになります。1996年には、エヌグ州とアビア州からエボニ州が、新たにリバーズ州からはバイエルサ州が設立されました。

このように、元々の東部州は多くの改革と変化を経て、現在のナイジェリアの州境が形成されています。各州はその地理的、文化的背景を受け継いでおり、当時の歴史的経緯が今に影響を与えているのです。この地域の豊かな文化と歴史は、ナイジェリア全体にとっても重要な要素を成しています。

もう一度検索