東郷久義 (俳優)

東郷 久義（とうごう ひさよし）

東郷久義は、1898年3月26日に島根県に生まれ、本名は品川久義です。彼は日本のサイレント映画の黎明期に登場した俳優であり、主に現代劇を中心に多くの作品に出演しました。俳優としての彼の活動はとても多彩であり、特にスポーツ俳優としての地位を確立しています。特に、柔道を学び、その経験を映画に活かしたことから「スポーツ俳優」として多くの作品に主演しました。

人物・来歴

東郷は東京に進学し、旧制海城中学校から関西大学法学部に進みました。在学中には柔道部の主将を務め、卒業後の数年間、南洋群島やヨーロッパ諸国で柔道修行を行いました。1926年、彼はマキノ・プロダクションに参加し、『蛮骨漢』で映画デビューを果たしました。

その後、東郷は様々な映画に出演し、特に1928年から1929年にかけて多数の作品で主演しました。時代劇やアクション作品において、彼の演技力と存在感は高く評価され、多くのファンを魅了しました。その中でも『忠魂義烈 実録忠臣蔵』や『大化新政』といった大作にも出演し、彼の俳優としての幅広い才能が示されました。

しかし、1931年にマキノ・プロダクションが解散すると、東郷は新たな挑戦を求め、東亜キネマに移籍しました。続けて、数本の映画に出演しましたが、やがて彼のキャリアは下降線を辿ります。1933年には自身のプロダクションを立ち上げ、『桃色ギャング』を製作し主演するものの、その後の活動はほとんどの記録がありません。

映画キャリアの集大成

東郷久義のフィルモグラフィは非常に豊富で、1930年代の数多くのサイレント映画作品に参加しています。彼は特にマキノ・プロダクションで多くの作品に関わり、アクションや柔道の要素を取り入れた役柄を多く演じました。主な作品には、1926年の『蛮骨漢』、1928年の『鉄血団』や、『忠魂義烈 実録忠臣蔵』などがあります。

彼の映画活動は1935年に『最後の勝利者』を最後に一旦幕を閉じました。その後の彼については、戦時中に酒場で働いていたことが伝えられるのみで、戦後の消息は不明です。

結論

東郷久義は、日本映画の中で重要な役割を果たした俳優の一人です。スポーツに関する経験を活かし、サイレント映画の時代において多くの短命作品に出演した彼の業績は、今なお多くの映画ファンに愛され続けています。彼の影響力は映画界において大きなものであり、彼の作品は今もなお評価されています。

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