松ノ里直市

松ノ里 直市—大相撲の歴史に名を刻んだ力士

松ノ里直市（まつのさと なおいち）は、1909年11月29日に青森県五所川原市で生まれ、1985年1月26日に亡くなった元大相撲力士です。本名は工藤直市で、177cm、113kgの体格を持ち、得意技は右四つと寄りで知られています。彼の最高位は1942年5月場所に達した西前頭3枚目でした。

力士としてのキャリア

松ノ里は1926年、1月場所で初めて土俵に立ち、その後のキャリアで数多くの試合を経験しました。八角形の土俵の中で、彼の名を広めたのは1932年1月の春秋園事件がきっかけでした。この事件の影響で、天竜や大ノ里らと共に相撲協会を脱退し、翌年には関西角力協会に参加しました。

関西角力協会では、松ノ里は幕内で活躍し、多くのファンを魅了しました。しかし、協会が解散すると、彼は再び大相撲界に戻り、1938年1月場所に三段目筆頭という地位から再スタートを切りました。この場所では見事10勝2敗という成績を収め、翌月の5月場所には幕下に復帰して優勝の栄光を手にしました。

1939年1月場所では十両に昇進し、9勝4敗の好成績を残しました。そして同年の5月には新入幕を果たし、12勝3敗という素晴らしい成績を収めました。彼は年齢が29歳であったため、三役入りは叶わなかったものの、1944年1月場所の6日目に横綱・双葉山をちょん掛けで倒し、連勝記録を36で止める金星を挙げました。これは彼の相撲人生において特筆すべき瞬間として、今でも語り継がれています。

引退後の生活

松ノ里は1945年6月場所をもって現役を引退しました。相撲界での激しい戦いを経た後、故郷に帰り、旅館やアパートを経営しながら静かな日々を送ったと言われています。彼の伝説や業績は、今でも多くの人々に記憶されており、大相撲界の歴史の一部として語り継がれています。

主な成績と記録

松ノ里の通算成績は117勝87敗11休、勝率は.574です。幕内成績は85勝81敗11休となっており、勝率は.512でした。現役在位は18場所、幕内在位は13場所でした。彼は金星を1つ持ち、その獲得相手は横綱・双葉山です。また、彼は1938年5月場所での幕下優勝や、1930年1月場所での三段目優勝など、多くの栄光を手にしました。

改名歴

松ノ里直市は相撲界でのキャリアの初めに工藤直市という名前で活動していましたが、1930年1月からは松ノ里直市として知られるようになりました。この改名は彼の相撲人生において重要な意味を持ち、彼の後の成功に寄与したと言えるでしょう。

松ノ里直市の力士としての人生は、彼の優れた成績とともに、多くのファンに愛され続けています。彼の業績は今もなお、相撲ファンの心に生き続けることでしょう。

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