松前章広

松前章広

松前章広（まつまえ あきひろ）は、江戸時代中期から後期にかけての大名であり、蝦夷地松前藩の9代藩主です。官位は従五位下若狭守。

生涯

安永4年（1775年）、8代藩主・松前道広の長男として生まれました。寛政4年（1792年）10月28日、父・道広の隠居により家督を継ぎ、同年11月11日には11代将軍・徳川家斉にお目見えし、従五位下若狭守に叙任されました。

寛政11年（1799年）3月21日、東蝦夷地が幕府によって一時的に没収され、それに伴い武蔵国埼玉郡内に5千石を与えられました。しかし、享和元年（1801年）7月21日、幕府は東蝦夷地支配の永続化を決定し、武蔵国内の領地5千石も収公され、毎年3500両が支給されることになりました。文化4年（1807年）3月12日には、所領を西蝦夷地から陸奥国伊達郡梁川藩に9千石で移封されました。

文政4年（1821年）12月4日、旧領に復帰を果たします。この復領は、表向きはロシアからの脅威が低くなったという名目でしたが、実際には父・道広の伝手を通じて将軍・徳川家斉の父・一橋治済に接近し、老中水野忠成への莫大な賄賂攻勢を行った結果、家斉に請願が受け入れられたものであると、「水戸烈公上書」や「藤田東湖見聞偶筆」に記されています。天保2年（1831年）には、1万石に復しました。

天保4年（1833年）に59歳で死去。文政10年（1827年）に次男・見広が死去していたため、家督は見広の長男・良広が継ぐこととなりました。

系譜

父母
父：松前道広
母：平田氏 - 側室
側室
笠原紋十郎の姉
秋野菅子
福島成子
子女
松前崇広（六男）：生母は側室
松前市之助
染子：高野保右室
欣子：蛎崎広得室
松前見広
松前久之助、久広（三男）
伊勢子：松平定央室
初子：松前広重室
朗子（五女）
成子
聿子
松前重広
松前広経
養女
友子：松前見広正室後に高井清章正室、井上正甫の娘

参考文献

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