松前良広

松前良広

松前良広（まつまえ よしひろ）は、江戸時代後期にあたる文政6年（1823年）に生まれ、蝦夷地松前藩の第10代藩主を務めた人物です。

生涯

良広は、9代藩主・松前章広の次男である松前見広の長男として誕生しました。文政10年（1827年）に父・見広が死去したため、祖父である章広の嫡孫となります。天保4年（1833年）には松前から江戸へ向かい、翌年家督を相続しました。しかし、病弱であったため、将軍への御目見は叶わず、官位も与えられませんでした。

天保10年（1839年）には、親族である池田政善、柳生俊章、一柳末延らが、「藩主良広の病弱のため蝦夷地統治が困難である」として、松前藩の領地返還を幕府に申し立てるという事件が起こります。これは、祖父・章広の代に苦労の末に復領した蝦夷地を、親族が放棄させようとしたもので、その真意は定かではありません。しかし、幕府がこの領地返還運動を取り上げなかったため、事なきを得ました。

同年8月24日、良広は17歳という若さで死去しました。子がいなかったため、弟の昌広が養子となり、家督を継ぎました。

系譜

父：松前見広
母：村山信敏の妹（側室）
婚約者：小笠原長貴の娘
養子：松前昌広（実弟）

松前良広は、若くして藩主となりましたが、病弱のためその治世は短く、また、親族による領地返還運動など、様々な問題に直面しました。その短い生涯は、松前藩の多難な時代を象徴していると言えるでしょう。

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