松前昌広

松前昌広

松前昌広（まつまえ まさひろ）は、江戸時代後期の大名であり、蝦夷地松前藩の第11代藩主。官位は従五位下志摩守。

生涯

文政8年（1825年）に第9代藩主・松前章広の次男・松前見広の次男として福山城で生まれた。幼少の頃から福山と江戸を往来し、天保10年（1839年）に兄・良広の養嗣子となる。同年10月には良広の死去により家督を継ぎ、11代将軍・徳川家斉にお目見えした。天保11年（1840年）には従五位下志摩守に叙任されている。

昌広は儒学者である山田三川を登用し、藩政改革を試みた。しかし、当時の松前藩は藩主の早世が相次ぎ、重臣である松前内蔵広純（8代藩主・道広の五男）が権勢を振るっていた。そこで昌広は、義父である松平乗全の力を借り、天保13年（1842年）に内蔵を失脚させ、江戸で蟄居させた。その後、三川を側用人・表用人として登用し、天保15年（1844年）から倹約や風紀粛清、奢侈禁止を中心とした藩政改革を行った。

しかし、昌広自身が病弱であり、精神的な病も患っていたため、藩政は三川と松前広茂によって主導され、昌広は江戸の藩邸で療養する日々を送った。弘化4年（1847年）には病状が悪化し、酒色に溺れるようになったため、嘉永2年（1849年）に養子の崇広に家督を譲り、隠居した。隠居後は福山城北東の北殿で余生を送り、嘉永6年（1853年）に29歳で死去した。

系譜

実父: 松前見広
実母: 村山信敏の妹（側室）
養父: 松前良広
正室: 浪子 - 松平乗全の養女、本多忠升の娘
側室: 静子 - 山崎十三の娘
子女
長男: 松前徳広 - 生母は静（側室）
次男: 松前縄之助
* 養子: 松前崇広 - 松前章広の六男

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