松平宗武

松平 宗武（まつだいら むねたけ）

概要

松平宗武は、江戸時代末期から明治時代にかけて活躍した大名および華族であり、丹後国の宮津藩の第7代藩主でした。また、明治時代には子爵に列せられ、その後本庄姓に復し、本庄宗武と改称しました。

生涯

1846年6月9日、松平宗秀の五男として誕生した宗武は、幕末の tumultuous な時代を背景に成長しました。1866年には、父が老中として幕府軍に従事していた第二次長州征伐において、戦況不利を理由に長州藩の家老を解放するなどの独断行動を取ったため、10月29日に強制隠居を命じられ、宗武が家督を継ぐことになりました。

1868年の戊辰戦争では、宮津藩が新政府への恭順を表明しますが、八幡警備の最中に自軍が新政府軍に砲火を浴びせてしまったことで、朝敵とされ、その結果、宗武は入洛禁止の処分を受けました。弟の新政府軍参加申し入れや、父の謝罪も虚しく、宗武は重臣の切腹を申し入れるも、助命されます。

その後、1869年には宮津藩知事に任じられ、さらなる政治的変化の中で1871年には廃藩置県が行われ、知藩事職を免職されました。1873年からは北海道での農業開拓に従事し、晋退後も明治政府の要職を担っていきました。

教部省大講義および籠神社宮司となった影響もあって、宗武は教育にも関心を持ち、地域の旧藩士たちによる「天橋義塾」の設立を支援しました。1884年には子爵に昇格し、1888年には「日本国教大道社」を設立し副社長に就任。1893年に48歳で亡くなるまで、多くの活動を通じてその名を残しました。

文芸活動

宗武は文学にも才能を発揮しました。俳句や川柳に非常に精通し、自ら句会を頻繁に開催していました。1869年からは、弟の近況に向けて手書きの冊子「謝海新聞」を作成し、俳句や和歌、狂歌を発表しました。これは48篇に及び、多くの文学愛好家に受け入れられました。また、雑誌『團團珍聞』にも狂歌や川柳を投稿し、「滑稽投書家の横綱格」として評価を得ました。

家族

宗武は松平宗秀を父に持ち、その正室は波子（牧野誠成の娘）、恵津（長沢宗正の姉）で、次男の本荘宗義や三男の伊集院兼知を含む多くの子女をもうけました。家族の中には優れた血筋が多く、その後の世代にも影響を与えました。家臣としては宇治川嘉左衛門や河瀬秀治などが知られています。

参考文献

住谷申一による『「謝海新聞」について -宮津藩主 本庄宗武の戯作的側面-』は、宗武の文芸に対する理解を深める上での主要な資料です。

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