松平定邦

松平定邦（まつだいら さだくに）は、江戸時代中期に活躍した大名であり、陸奥白河藩の第2代藩主です。定綱系久松松平家の8代目当主にあたります。官位は従四位下・越中守を務めました。

生涯

享保13年（1728年）、白河藩初代藩主である松平定賢の長男として誕生しました。寛保3年（1743年）12月15日、8代将軍徳川吉宗に謁見し、同年12月28日には従五位下・河内守に叙任されました。その後、近江守に改められています。

明和7年（1770年）8月27日、父・定賢の死去に伴い家督を継ぎ、白河藩の第2代藩主となりました。同年9月4日には越中守に任じられ、同年10月15日にはお国入りの許可を得て、藩主としての職務を本格的に開始しました。

安永2年（1773年）12月16日、従四位下に昇進します。安永3年（1774年）3月15日には、幕府の命により徳川宗武の七男である賢丸（後の松平定信）を養子に迎えることが決定しました。これは、徳川一門から養子を迎えることで、藩の家格向上を図ったものと考えられます。しかし、安永4年（1775年）には白河での花見の際に中風を発症し、江戸に参府したものの体調は優れなかったと記録されています。

天明3年（1783年）10月16日、家督を養子である定信に譲り、隠居しました。同年10月19日には通称を木工頭に改めました。寛政2年（1790年）6月7日、江戸にて生涯を閉じました。

系譜

松平定邦には1男3女の子女がいました。

父母

父：松平定賢
母：烏丸光栄の娘

正室

黒田継高の四女

子女

松平定信正室

養子

松平定信 - 徳川宗武の七男

参考文献

高澤憲治『松平定信』吉川弘文館〈人物叢書〉、2012年。

松平定邦は、藩主として藩政を担う一方で、家格の向上にも尽力した人物でした。特に、徳川一門から養子を迎えたことは、その後の白河藩の歴史に大きな影響を与えたと言えるでしょう。また、病に苦しみながらも藩主としての責任を果たし続けたその姿は、後世に語り継がれるべきでしょう。

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