松平家忠 (東条松平家)

松平家忠（まつだいら いえただ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将で、通称は甚太郎、別名に家次と称しました。彼は三河国東条城主であり、東条松平家の3代当主として知られています。

生涯

松平家忠は、松平忠茂の子として誕生しました。母は松井忠直の娘であり、松平康親の妹にあたります。幼名は亀千代と名付けられました。

父・忠茂の戦死後、家督を相続し、松平家康に仕えることになりました。しかし、幼少であったため、伯父である松井忠次（松平康親）が後見人となり、元服後もその補佐を受けながら活動しました。東条吉良氏との戦いでは、忠次と共に功績を挙げ、東条城を領することとなりました。

親戚である深溝松平家の松平家忠（主殿助）とは、年齢も居城も近く、親交を深めました。甚太郎家忠は、主殿助家忠の妹を妻に迎え、より親密な関係を築きました。その後も、姉川の戦いや長篠の戦いなど、各地の戦いに参加しましたが、病弱であったため、天正9年（1581年）に病のため東条城で没しました。

家忠の死後、家康は四男の忠吉に名跡を継がせました。残された妻は、兄である主殿助家忠の元へ帰りました。

参考文献

観泉寺史編纂刊行委員会編『今川氏と観泉寺』吉川弘文館、1974年
新編岡崎市史編さん委員会編『新編岡崎市史 6 古代中世史料編』岡崎市、1983年
盛本昌広『松平家忠日記』角川学芸出版〈角川選書304〉、1999年、ISBN 4-04-703304-9
続群書類従完成会編『増補 續史料大成 19／家忠日記』臨川書店、1994年、ISBN 4-653-00465-X

松平家忠は、若くして家督を継ぎ、激動の戦国時代を生き抜いた武将でした。病弱でありながらも、数々の戦に参加し、東条松平家の発展に貢献しました。彼と深溝松平家との親密な関係や、家康との関係など、彼の生涯は多くの興味深いエピソードに彩られています。

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