松平正愛

松平正愛（まつだいら まさよし）

松平正愛は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した旗本であり、正朝系の大河内松平家の5代目にあたります。彼の所領は3500石であり、江戸幕府の中で重要な役割を果たしました。

生い立ちと家系

松平正愛は宝暦10年（1760年）8月12日に、松平方政の長男として生まれました。彼の家系は、松平姓を名乗る武士の中でも特に有名な家柄であり、彼の祖父である松平正方の死去により、彼の運命が大きく変わりました。正方の死は1768年に起こり、その数ヶ月後の9月6日、正愛は嫡孫としての地位を持つこととなります。これは、父が病によって廃嫡となっていたための結果でした。この時期、松平家は重要な転機を迎えていました。

将軍との関係

正愛の初の重要な出来事は、1777年12月21日に将軍徳川家治に拝謁したことです。これにより、彼は将軍との関係を深めることができ、将来において幕府内での地位を確立するための第一歩を踏み出しました。その後、1779年から1782年にかけては、小石川口門番を務め、江戸幕府の治安維持に貢献しました。

官職と役割

1783年1月11日には使番に任命され、この任務に従事することになりました。使番というのは、将軍の身近で働く役割で、重要な仕事を担っていました。そして同年の12月18日には布衣の着用を許されたことからも、彼の地位が上がっていることが伺えます。1785年8月23日には火事場の見廻りを兼任し、翌年には小普請組支配となります。これらの役職は、彼が幕府内での信頼を勝ち取るために重要な役割を果たしました。

罷免と死

しかし、1788年8月16日には将軍の意に反する行動があったとして、罷免される運命にあります。この出来事は、彼のキャリアにおいて大きな打撃となりました。その後、寛政2年（1790年）の3月4日、31歳という若さで死亡。公式には享年33とされていますが、享年に関しては若干の不一致があります。「子が無かったため」、同族の旗本である松平正明の次男、正卜が末期養子となり相続を果たすことになりました。正愛の死は、彼の家系にとって新たな展開を意味しました。

参考文献

松平正愛の生涯や業績に関する詳細は、以下の文献に触れることで深く理解できます。

• - 『寛政重修諸家譜』巻第二百五十七
• - 『幡豆町史 資料編2 近世』

正愛の生きざまからは、江戸時代の政治や社会の動向が読み取れ、その影響がどのように家族や子孫に受け継がれていったのかを知ることができます。

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