松平清定

松平清定は、戦国時代の武将であり、三河国碧海郡桜井城（現在の愛知県安城市桜井）を拠点とした桜井松平家の二代目当主です。初代当主である松平信定の長男として生まれました。

生涯

清定は、三河吉良氏の吉良持清から偏諱を受けたとされ、清定と名乗りました。父・信定と共に、享禄9年（1529年）の吉田城攻めや尾張国品野城攻めに従軍し、武功を挙げました。信定の死後、家督を相続し、桜井松平家の二代目当主となりました。

天文9年（1540年）に安祥城が陥落すると、一時的に織田方に与しましたが、安祥城奪還後は安祥松平家に再び従属しました。この時期は、松平家を取り巻く勢力関係が大きく変動しており、清定は織田氏や安祥松平家との関係の中で、桜井松平家を維持するために奔走したと考えられます。

天文12年（1543年）10月3日に死去しました。享年は不明です。墓所は桜井山菩提寺にあり、法名は「圓言院殿髟誉祥雄道喜大居士」です。

系譜

父：松平信定
母：不詳
妻：織田信定の娘（織田信秀の妹）
子女：
男子：松平家次
女子：松平好景室

人物像

松平清定は、父の信定と共に戦場を駆け、武功を重ねた武将であると同時に、激動の時代の中で家を守り抜いた人物でした。織田氏や安祥松平家といった周辺勢力の動向に翻弄されながらも、桜井松平家を存続させるために尽力したその生涯は、戦国時代の武将の苦悩と決断を物語っています。

補足

清定の時代は、松平氏が統一される以前であり、各地に松平氏の一族が割拠していました。桜井松平家もその一つであり、清定は周辺の勢力との関係を巧みに調整しながら、家を守り抜く必要がありました。

参考文献

『寛政重修諸家譜』巻第五
『寛政重修諸家譜 第一輯』（国民図書、1922年） NDLJP:1082717/23
『新訂寛政重修諸家譜 第一』（続群書類従刊行会、1964年）
『家康と松平一族』 安城市歴史博物館編集（2021年発行） P.51～53深溝家

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