松本市立波田中学校
松本市立波田中学校
松本市立波田中学校は、長野県松本市波田地区に位置する公立中学校です。1947年に波田村立波田中学校として開校し、町村合併を経て現在の名称となりました。地域に根ざした教育活動を展開しており、生徒たちは豊かな自然環境の中で、地域との関わりを大切にしながら学んでいます。
概要
波田中学校は、新制中学校制度の発足と同時に、波田村立波田中学校として産声を上げました。その後、波田町の町制施行に伴い波田町立波田中学校となり、2010年には松本市との合併により、現在の松本市立波田中学校へと名称が変更されました。長きにわたり、一つの自治体に一つの小学校と中学校という構成を保っており、生徒たちは小学校から中学校まで、ほぼ同じ顔ぶれで9年間を過ごしてきました。
校庭には白樺の木が多く、自然豊かな環境が特徴です。また、校庭の南側には梓川の河岸段丘があり、その崖の上をアルピコ交通上高地線が走っています。学校の敷地内には、長野県波田学院内に「松原分校」があります。
沿革
新制中学校の成立
1947年4月1日、全国一斉に新制中学校制度が施行され、波田中学校もその一つとして開校しました。新制中学校の成立は、義務教育の3年延長と男女共学の導入という大きな変革をもたらしました。終戦直後の混乱と物資不足の中、中学校は小学校の校舎を間借りしてスタートしました。
仮住まいでの出発
開校当初は、校舎や備品、予算も不足し、教科書やノート、鉛筆といった学習に必要な物資も十分に揃わない状況でした。波田中学校は、波田小学校の校舎の一部を借り、体育館や運動場も共用していました。初代校長は小学校長との兼任でしたが、両校の連携を重視し、教育に尽力しました。
食糧事情も厳しく、生徒たちは弁当を持参できない状況もありました。しかし、地域住民の協力と教職員の努力により、学校運営は徐々に安定していきました。1948年3月には初の卒業生を送り出しましたが、当時は義務教育ではなく、希望制であったため男女比に偏りがありました。その後、義務教育化が進み、男女混合のクラス編成へと変わっていきました。
校舎建築の始まり
波田中学校の校舎建設は、地域の熱意と努力によって実現しました。当初、複数の候補地がありましたが、最終的に現在地に校舎を建設することが決定しました。1952年には管理棟と中校舎が完成、その後、西校舎や体育館、特別教室棟などが整備され、教育環境が整えられていきました。校舎建設にあたっては、生徒や地域住民が協力し、敷地の整備や資材の運搬などに尽力しました。
教育体制の充実へ
1960年代に入ると、高校進学希望者が増加し、教育内容の充実が図られました。サマースクールの開設や、学力調査の実施、学校プールの設置、制服の制定など、様々な取り組みが行われました。
1964年には完全給食が開始され、生徒たちの栄養状態が改善されました。また、養護学級の開設や、村費職員の配置など、生徒一人ひとりに寄り添った教育体制が整えられていきました。1971年には臨海学習中の遭難事故が発生し、学校関係者に大きな悲しみをもたらしましたが、その後、安全対策を徹底し、教育活動を継続しています。
その後の歩み
1973年には町制施行に伴い、波田町立波田中学校となりました。その後、通知票の評価方法の変更や、校舎の全面改築、パソコン教室の設置、校舎の増築など、時代の変化に対応した学校運営が行われてきました。2008年には「キャリアスタートウィーク」の活動が評価され、文部科学大臣表彰を受けました。そして、2010年、松本市との合併により、現在の松本市立波田中学校となりました。
教育活動
遠足、登山、臨海学習、修学旅行
波田中学校では、遠足、登山、臨海学習、修学旅行など、様々な校外活動が行われてきました。1年生と2年生は登山、3年生は関西方面への修学旅行を行うのが恒例でした。臨海学習は、1965年に初めて実施され、それ以降は、1年生が登山、2年生が臨海学習、3年生が修学旅行を行うようになりました。
収穫祭
1949年から収穫祭が開催され、地域とのつながりを深めてきました。生徒たちは、自分たちが栽培した農作物を収穫し、その喜びを分かち合いました。しかし、1960年代以降は学校田や学校畑がなくなり、収穫祭も行われなくなりました。
白樺祭
1971年からは、それまで別々に行われていた音楽会や弁論大会を統合し、白樺祭として開催するようになりました。生徒たちは、日頃の学習成果を発表し、交流を深めました。
図書室
1960年頃には、図書室に専任の司書が配置され、多くの生徒が図書室を利用していました。図書室は、生徒たちの学習活動を支える重要な役割を果たしていました。
基礎データ
所在地
長野県松本市波田10145-1
アクセス
アルピコ交通上高地線 波田駅
生徒数
2017年度 462名
- - 1年生 148名
- - 2年生 146名
- - 3年生 168名
生徒数の推移
開校以来、生徒数は増減を繰り返していますが、近年は450名前後で推移しています。
卒業生の進路
ほとんどの卒業生は、松本市内や安曇野市内の高校に進学しています。中学校から近い梓川高校に進学する生徒も多くいます。
象徴
校章
アルプスと松の葉をモチーフにした校章は、北アルプスの雄大な自然と、松の葉の力強さを表しています。
校歌
作詞は池田嘉登と西尾実、作曲は芥川也寸志が手がけました。
教育方針
教育目標
教育目標は「やかたづくり」。「やさしさ」「かしこさ」「たくましさ」を育み、豊かな感性で自らの生き方を求める生徒を育成します。
総合学習
総合学習では、「ふるさと波田」をテーマに、体験的な学習を通して地域への理解を深め、貢献できる人材育成を目指しています。
部活動
運動部と文化部があり、生徒たちは共通の関心を持つ仲間と活動しています。部活動は、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図る場となっています。
校区内の主な施設
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
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