枇杷島町

枇杷島町の概要

枇杷島町（びわじまちょう）は、かつて愛知県西春日井郡にあった町で、現在の名古屋市西区の北部に位置していました。この地域は庄内川の南岸にあり、庄内川を挟んで西側にある旧・西枇杷島町（現在は清須市）と区別するため、しばしば「東枇杷島」という名称が使われました。これは現在でも名鉄名古屋本線の駅名である東枇杷島駅にその名を残しています。

歴史的には、美濃路（美濃街道）が通る交通の要所として知られ、古くから多くの人々が行き交う場所でした。この町の地名の由来については様々な説がありますが、特に注目されるのが藤原師長が井戸田に住む女性に贈った白菊の琵琶に関連する故事です。別の説として、庄内川の中洲「中島」が枇杷の形状に似ていることから名づけられたというものがあります。また、『尾張名所図会』では当地に多くの枇杷が存在したことから名付けられたという解釈もされています。

沿革

江戸時代末期には、枇杷島町は尾張国春日井郡に属し、尾張藩の領地でした。1878年（明治11年）には枇杷島村が町と村に分裂し、1880年（明治13年）には春日井郡が東春日井郡と西春日井郡に分割され、この地域は西春日井郡となりました。

1889年（明治22年）10月1日には、枇杷島町と枇杷島村が合併し、枇杷島町が設立されました。この時、元の枇杷島町は大字枇杷島町、枇杷島村は大字枇杷島村として区分されました。1921年（大正10年）8月22日には名古屋市西区に編入され、以降は大字枇杷島町が西区東枇杷島町、大字枇杷島村が西区枇杷島町となりました。

教育機関

枇杷島町には、枇杷島尋常小学校（現在の名古屋市立枇杷島小学校）があり、地域教育の一端を担っていました。教育は町の発展に重要な役割を果たしていました。

交通機関

交通面では、名古屋鉄道の一宮線が通っており、東枇杷島駅が設置されていました。この駅は町の重要な交通の結節点として機能していました。

終わりに

枇杷島町の歴史や文化は、愛知県の地域の発展の一部であり、名古屋市の発展にも影響を与えてきました。廃止された町であっても、その名称や地域の記憶は、今でもさまざまな形で残り続けています。枇杷島町の由来や沿革、地域の教育機関、交通網などを通じて、過去の姿を知ることは、地域のアイデンティティを理解する手助けになります。

もう一度検索