林博康

林博康（はやし ひろやす）は、1971年6月15日に大阪府東大阪市で生まれた元プロ野球の外野手です。

鹿児島実業高校では、野球部で投手としてもプレーしました。高校3年生の夏の県大会では、準決勝で井上一樹投手を擁する鹿児島商業高校に敗れ、甲子園出場は叶いませんでした。

高校卒業後、1989年のプロ野球ドラフト会議において、ロッテオリオンズから6位指名を受け、プロの世界に入りました。

プロ入り初年度の1990年、林選手は鮮烈なプロデビューを飾ります。一軍で迎えた最初の打席でいきなり本塁打を放ち、この記録は史上27人目となる快挙でした。高卒ルーキーながら、この年は一軍で10試合に出場しました。しかし、その後は度重なる怪我に苦しみ、1991年から1994年までの4年間は一軍での出場機会を得ることができませんでした。

野球人生の転機となったのは1995年です。この年、林選手はアメリカのマイナーリーグ・1Aに所属するバイセイリア・オークスへ野球留学し、実戦経験を積みました。留学先では打率.268を記録するなど一定の活躍を見せ、その結果、シーズン途中の5月25日には日本へ呼び戻され、一軍に合流しました。復帰後はコンスタントに出場機会を得て、このシーズンはキャリアで最も多い51試合に出場しました。特に印象的なのは、9月15日からグリーンスタジアム神戸で行われたオリックス・ブルーウェーブとの3連戦です。マジック1で地元胴上げを狙うオリックスに対し、林選手は9月15日に野田浩司投手から決勝点となるソロ本塁打を放ち、さらに9月17日には佐藤義則投手からも追撃のソロ本塁打を放つなど、オリックスの目前での優勝決定を阻止する重要な役割を果たしました。

しかし、1996年以降は再び怪我の影響もあり、出場機会が減少しました。そして、1998年シーズン終了後、チームから戦力外通告を受け、惜しまれつつ現役生活にピリオドを打ちました。

プロ野球選手としての詳細な記録は以下の通りです。

初出場：1990年6月27日、対近鉄バファローズ8回戦（日生球場）。10回表、マイク・ディアズ選手の代走としてグラウンドに立ちました。
初打席・初安打・初本塁打・初打点：1990年6月29日、対福岡ダイエーホークス10回戦（平和台球場）。6回表、福澤洋一選手の代打として出場し、井上祐二投手からソロ本塁打を放ちました。これが記念すべきプロ初打席での本塁打となり、同時に初安打、初打点も記録しました。
初先発出場：1990年7月11日、対近鉄バファローズ11回戦（川崎球場）。9番・左翼手として初めて先発メンバーに名を連ねました。

プロ生活で背負った番号は以下の通りです。

53番：1990年から1995年まで。
* 23番：1996年から1998年まで。

現役引退後の林氏は、2016年に学生野球資格回復のための研修を受講しました。そして、翌2017年2月7日には日本学生野球協会より適性認定を受け、高校生や大学生といったアマチュアの野球選手への指導が可能となりました。

波乱万丈のプロ野球キャリアでしたが、初打席本塁打という歴史に名を刻む記録を残し、怪我を乗り越えての活躍、そして引退後の指導者としての道など、その野球人生は多くの経験に彩られています。

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