林朴入門入

林朴入門入（はやし ぼくにゅうもんにゅう）

林朴入門入（1670年 - 1740年）は、江戸時代の著名な囲碁棋士であり、家元林家の四世林門入としてその名を歴史に刻んでいます。七段の棋力を持っていました。

生涯

もともとは片岡因的と名乗り、本因坊道策の門下で腕を磨きました。後に林家の跡目を継ぎ、林因竹と改名。隠居後に朴入と号し、後世には林朴入門入と呼ばれるようになりました。

林家相続と御城碁

1705年、井上道節因碩の取り計らいにより、三世林玄悦門入の養子となり林家を継承、林因竹と改名しました。同年、御城碁に初出仕し、井上因節に先番3目勝ちを収めます。この時、安井仙角と本因坊道知との間で最初の先相先での対局が行われ、林門入は下打ちの際に翌朝の終局まで同席し、道知1目勝ちの結果を後見の道節に伝える役目を果たしました。

1706年には玄悦の隠居に伴い家督を相続し、四世林門入となりました。

碁所を巡る動き

1710年、琉球国への免状発行のために井上道節が碁所就位する際、道節の意向を本因坊道知に伝え、道知に碁所出願を依頼しました。1719年に道節が亡くなると、その実力から碁所就位が有力視されていた道知に対し、安井仙角、井上策雲因碩、林朴入の三家が、碁所が空位のままであることを詰問しました。そして道知の準名人（八段）昇段を推挙し、この際、最年長であった朴入が三家の総代として道知に意向を伝えました。翌1720年、朴入と因碩は道知の名人碁所就位を願い出て、道知は碁所となりました。同年、仙角、因碩とともに八段に昇段しています。

1720年には道知門下の井家道蔵を跡目とし、1726年に隠居して家督を譲り、朴入と号しました。

御城碁には生涯で21局出仕し、当時のトップ棋士たちと鎬を削りました。

1740年に死去。林家の例に倣い、浅草誓願寺快楽院に葬られました。

御城碁戦績

1705年（宝永2年） 先番3目勝 井上因節
1706年（宝永3年） 白番４目負 井上因節
1707年（宝永4年） 先番5目勝 安井仙角
1708年（宝永5年） 白番4目負 安井仙角
1709年（宝永6年） 白番4目負 井上因節
1710年（宝永7年） 先番3目勝 井上因節
1711年（正徳元年） 白番5目負 本因坊道知
1712年（正徳2年） 先番2目勝 本因坊道知
1713年（正徳3年） 先番3目勝 安井仙角
1714年（正徳4年） 白番4目負 安井仙角
1715年（正徳5年） 白番3目負 井上因節
1716年（享保元年） 先番3目勝 井上因節
1717年（享保2年） 白番4目負 安井仙角
1718年（享保3年） 先番2目勝 本因坊道知
1719年（享保4年） 白番5目負 本因坊道知
1720年（享保5年） 先番3目勝 安井仙角
1721年（享保6年） 白番4目負 井上友碩
1722年（享保7年） 白番4目負 安井仙角
1723年（享保8年） 向二子ジゴ 本因坊知伯
1724年（享保9年） 先番5目勝 井上友碩
1725年（享保10年） 先番4目勝 井上策雲因碩

参考文献

安藤如意、渡辺英夫『坐隠談叢』新樹社 1955年

外部リンク

木石庵「四世林門入（因竹、朴入）」
奇譜士「林門入朴入(4世)」)

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