林正之助

林 正之助の生涯と業績

林正之助（はやし しょうのすけ）は、1899年に兵庫県明石市で生まれ、1991年に逝去した日本の著名な芸能プロモーターで、吉本興業の元会長・社長です。彼はその豪快な風貌と性格から、愛称を「ライオン」と呼ばれていました。

幼少期と経歴

林は、商人の息子として育ちました。母は林ちよ、姉は吉本興業創業者である吉本吉兵衛の妻、また弟は旧吉本興業株式会社の社長を務めた林弘高という家族に恵まれました。1917年に吉本興業の前身である吉本興行部に入社し、わずか19歳で総監督に就任しました。その後、1948年には吉本興業が株式会社に改編されると、初代社長に任命されます。

1950年には、姉の死去を受けて会長の座も兼任しましたが、1963年に健康を損ね、社長職を弟に譲ることになりました。しかし、弟の体調が良くなくなった1970年に社長職に復帰し、以降もその職にあり続けました。1991年に92歳で亡くなるまで、林は吉本興業の成長を牽引し続けました。

芸能界への影響

林は数多くの著名な芸人を育て上げ、その中には初代桂春團治や横山エンタツ、花菱アチャコなどが含まれます。また、彼はなんば花月やうめだ花月といった劇場の開設にも尽力し、吉本興業を日本最大手の芸能事務所へと成長させました。彼の経営手腕や興行師としての能力は、関西だけでなく全国の芸能界に大きな影響を及ぼしました。

競争とライバル関係

1935年に松竹と結んだ演芸に関する協定がありましたが、1939年に正之助が松竹のライバルである東宝の重役に就任すると、両社の関係は緊張を増しました。特に新興キネマとの関係においては、芸人の大量引き抜きなどが起こり、業界内で「抗争」と報道されるほどの混乱を招きました。この対立は第二次世界大戦後まで続き、自社と松竹の芸人がメディアで共演することは極めて少なかったのです。

スキャンダルと逮捕

1968年には、当時の山口組組長である田岡一雄との関連で、レコード会社を乗っ取ろうとしたとして逮捕される事件もありました。このような事件は彼の業績に影を落とすこともありましたが、それでも日本のエンターテインメントにおける影響力を揺るがすことはありませんでした。

晩年と影響力

林正之助は、亡くなる3か月前まで劇場運営を指揮し続け、劇場の興行を毎日視察していました。彼の影響力は、タレントや芸人の扱い、会社経営に対する手腕によって、今なお日本の芸能界に名を刻んでいます。彼は多くの人々に尊敬され、芸人たちからも愛される存在でありました。

まとめ

1991年に心不全で逝去した際、林正之助の社葬は、彼が愛したなんばグランド花月で行われ、その葬儀に参列した多くの人々は彼の長い業績を称賛しました。彼の遺された足跡は、歳月を超えて日本のエンターテインメント界に影響を与え続けています。

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